<「偉大なアメリカ」にふさわしい強大なドルを望むトランプと、ドルの強さこそがアメリカに貿易赤字をもたらすと指摘するMAGA派エコノミストたち。一体どちらが正しいのか>

アメリカはアメリカ人だけのものだが、米ドルは世界みんなもの──トランプ米大統領はそう考えている。トランプは、BRICS諸国が新たな通貨を創設したり、国際決済において「強大なドルに代わる通貨を支持したりすれば」100%の関税を課すとSNSで牽制している。

だが、大統領経済諮問委員会(CEA)のスティーブン・ミラン委員長の考えは異なる。ミランは4月の講演で、ドルが支配通貨となっていることが「不公正な貿易障壁とともに、持続不可能な貿易赤字をアメリカにもたらしている」と述べた。

こうした考えを持つMAGA(アメリカを再び偉大に)派のエコノミストは彼だけではない。

トランプは強い国の通貨は強くあるべきだと考えているが、彼を取り囲む面々は強いドルが米産業の競争力を奪っていると懸念する。さて、正しいのはどちらなのか。

フランスのジスカール・デスタン元財務相の表現を借りれば、世界中がドルで貯蓄や投資を行うことで、アメリカは「法外な特権」を享受している。

政府が通貨を発行し、国民はその通貨を使ってモノやサービスを得る。政府は「シニョリッジ(通貨を発行することで得られる利益)」を得るというのが通貨の仕組みだが、盤石ではない。国民が自国通貨への信頼を失って手放そうとすると、ジンバブエのようにハイパーインフレが起きる。

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世界中から「シニョリッジ」を得るアメリカ
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