MJ賛美作品は絶好調

まずは前作を見て事件のおさらいをしておきたいと思っても、アメリカでは基本的に不可能だ。1992年のコンサート映像の使用をめぐり、MJ財団が製作元を提訴した結果、『ネバーランドにさよならを』は、動画配信サービスから外されているからだ(ただしDVDが存在するほか、イギリスや日本の動画配信サービスでは視聴できる)。

その一方で、ジャクソンの楽曲とダンスを中心とするブロードウェイミュージカルや、シルク・ドゥ・ソレイユがラスベガスで展開するショーは大人気だし、新たな伝記映画の製作も進んでいる。これでは#MeTooどころか、主人公に性的虐待疑惑があっても、#NeverMind(ぜんぜんオッケー)だ。

ただ、『ネバーランドにさよならを2』に大きなインパクトがないのも事実。約53分のコンテンツの大部分は弁護士による解説に占められ、ロブソンとセーフチャック自身のインタビューが2部構成・計4時間の大部分を占めた前作ほどのパワーはない。

MJ財団側は、ロブソンとセーフチャックの狙いはカネだけだと主張してきた。だが、ジャクソンが既に死去していて、不適切な行為を認めたり、ましてや謝罪するチャンスがない以上、ロブソンとセーフチャックが金銭的賠償を勝ち取ること以外に、自分たちの言葉が正しいことを世間に証明する手段はあまりない。

『ネバーランドにさよならを2』が示した「不気味さ」
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