視線や頰のわずかな力で巧みに操作する梶山紘平
視線や頰のわずかな力で巧みに操作する梶山紘平 COURTESY OF TECHNOTOOLS

一般企業での就労を目指す梶山は、ゲームで培った操作がモビリティーにも転用できるのでは、と考えた。

そこから障害者・高齢者向けのバーチャルツアーを企画するシアンの協力を得て、22年に発足したのがドローン・アクセシビリティ・プロジェクト(Drone Accessibility Project)だ。梶山は同年5月の公開テストフライトで見事に200グラムを超えるドローンを飛ばし、その可能性を社会に示した。

産業分野での実用化にはまだハードルがあるが、夢は膨らむ。今後、働き手不足により物流DXやインフラ点検の無人化が進めば、ドローンパイロットの需要は高まり、就労チャンスが生まれる可能性は十分ある。

選択肢を広げる場所に

こうした当事者の能動性を自然な流れで社会に接続させようと、テクノツールは23年、障害者の就労支援などを行うリタリコとの共同出資で、勤務を柔軟に調整できる就労継続支援B型事業所「テクノベース」を横浜に設立した。

重度肢体不自由者は通所が難しいために利用できる就労支援所はほとんどなかったが、コロナ禍でテレワークが浸透したことが追い風となった。同事業所では、利用者は自宅などを拠点に基本リモートでスキルを学び、テレワークで働くことを想定している。

CADでの図面作成、ウェブのアクセシビリティーチェック、データ入力、記事作成などから希望の内容を選ぶと、実習内容や体の状態に応じて職員が適切なパソコン環境の構築を支援する。

重度肢体不自由者の選択肢を広げる「テストフィールド」に
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