――中台戦争がアジア太平洋の安全保障に与える影響は。

中国と台湾の衝突は、アジアだけでなく世界全体に深く大きな影を落とすと考えられる。もはや中国は安全保障上の潜在的な脅威ではなく、現実の脅威となるのだから。しかし、戦争中の中国がどのような状況になるのかは、世界にも中国にも分からない。

民主主義体制が攻撃されている以上、アメリカは直接踏み込むことはないにしても、傍観しているわけにはいかない。黙って見ていれば、アジアにおける覇権を中国に譲ることになるし、貿易の要衝である南シナ海が中国の支配下に入るのを許すことになる。そのため、中国と台湾の間で戦争が起きれば、米中が衝突することになるだろう。

ブラウン教授の新著『なぜ台湾が重要か』。中国と台湾の戦争は世界経済にウクライナ戦争の比ではない大混乱をもたらすと指摘
ブラウン教授の新著『なぜ台湾が重要か』。中国と台湾の戦争は世界経済にウクライナ戦争の比ではない大混乱をもたらすと指摘 COURTESY OF ST. MARTIN'S PRESS

――アメリカが台湾の半導体への依存を軽減するためには、どのような措置を取ればいいのか。

アメリカは半導体の供給源の多様化と、製造拠点の国内回帰を試みている。難しいのは、台湾が半導体ビジネスを守るために複雑なサプライチェーンを構築していること、そしてそのパーツが45万にも上ることだ。従って、アメリカが自前で半導体を製造できるようになるまでには、かなり時間がかかるだろう。

平和的かつ安定した中台関係の維持に必要なこと
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