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政府の全面的支援を受けてローズがアフリカの富を貪ったように、マスクは太陽系の植民地化を進める? JUSTIN SULLIVAN/GETTY IMAGES

フランスの哲学者ジャン・イズレは1906年、アメリカの軍人で海軍戦略理論家であるアルフレッド・マハンの著書の序文で、当時の世界情勢を次のように説明している。

「領土は限られているが、そこに住む人はどんどん増えている。供給は限られているが、需要は無限だ。......人間の集団が領土をめぐり、日の当たる場所をめぐり、戦うことになるだろう」

新たな略奪的資本主義の時代

イズレやローズが生きた時代は、自由資本主義(リベラル・キャピタリズム)が略奪的資本主義に変貌しつつある時代だった。そして現代も、同じようなシフトが起きている。

自由資本主義では、競争が重要な役割を果たす。人間や企業がつくるモノは、互いに交換されたり売買されたりする。全ての人に十分なスペースがあって、少なくとも理論的には、誰もがそのシステムの恩恵にあずかれる。また、そのシステムにおけるルールは万人に適用される。

略奪的資本主義はその次に起こり得る段階で、万人が豊かさの恩恵にあずかれるという感覚が激しい欠乏感に取って代わられ、交換は征服に変わる。このシフトは、17〜18世紀と19世紀末の2回起きた。

そして今、3回目が起きようとしているようだと、フランス社会科学高等研究院(EHSS)のアルノー・オラン教授は指摘する。

約10年前に「有限資本主義」へと変貌した
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