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父とカーターの絆を語るキングの娘バーニス COURTESY OF THE KING CENTER

ところが71年に州知事に就任すると、一転して「人種差別の時代は終わった」と宣言。南部の白人支持者の多くに衝撃を与えた。キングの葬儀から3年近くが過ぎていた。

キングがテネシー州メンフィスで暗殺された当時わずか5歳だったバーニスは、カーターについて次のように語った。

「父が目指したことの大筋を推進する手助けをした。それは世界から貧困と人種差別と軍国主義を一掃することだった」

州知事に就任した瞬間から、カーターはそれまで避けがちだった公民権運動の推進に残りの人生を費やすことになった。

州知事1期目には、州議会議事堂の壁を飾る南北戦争の英雄や人種差別主義者らの肖像に黒人であるキングの肖像を加えるという歴史的決断を下した。

キングの遺族は、カーターが政界で頭角を現していく姿を見守っていた。キングの父親マーチン・ルーサー・キングと妻のコレッタ・キングは、76年の民主党全国大会をカーターへの祝福の言葉で締めくくった。

アメリカを本来の場所に戻すべく主が彼を遣わされたに違いない──キングの父親の声が会場に響き渡った。

「公正かつ人道的」な社会に

あの出来事は「カーターの大統領選出に非常に大きな役割を果たした」と、バーニスは言う。

「当時アメリカでは、公民権運動が下火になる一方、人種差別撤廃やその類いの動きはまだ始まったばかり。カーターといえども黒人の支持を確実に獲得できるかどうか分からなかった」

レーガンに大敗
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