<『マルコムX』『ドゥ・ザ・ライト・シング』......。黒人の日常や文化を描く多くの映画を通じ、公民権を推進してきたスパイク・リー監督インタビュー>

スパイク・リーは映画監督として長年、アメリカの黒人社会が直面するテーマに深く切り込んできた。1986年のデビュー作『シーズ・ガッタ・ハヴ・イット』をはじめ、高い評価を得た89年の『ドゥ・ザ・ライト・シング』など、監督だけでなく脚本や製作を務めた作品も多い。

リーは、この『ドゥ・ザ・ライト・シング』でアカデミー賞脚本賞にノミネートされるなど、早くからその実力を業界でも認められてきた。

ただしアカデミー賞の受賞までこぎ着けたのは、デビューから30年以上がたった2019年の『ブラック・クランズマン』での脚色賞だった。それも4年前にガバナーズ賞という名誉賞を受賞した後という、奇妙な順番だった。

ニューヨークで育ったリーは、NBAのニューヨーク・ニックスの大ファンとしても知られ、試合はほぼ欠かさず最前列で応援している。その一方で、「バスケットボールの神様」ことマイケル・ジョーダン(現役時代の所属チームはシカゴ・ブルズ)との付き合いも長い。

きっかけは、ナイキがジョーダンのために作ったシューズ「エアジョーダン」を、リーが『ドゥ・ザ・ライト・シング』で取り上げたこと。その後リーは映画の登場人物に扮して、エアジョーダンのCMにも出演している。

後にリーが伝説的な黒人解放運動指導者の生涯を描く『マルコムX』の製作中に資金難に陥ったときは、ジョーダンが多くの黒人セレブらと共に資金援助を申し出た。

映画のテーマやメッセージは今でも力を持っている
【関連記事】