トランプの暴言や不正行為が、あまりにも次から次へと報じられるため、大衆の感覚が麻痺してきた側面もある。だから合計91件もの罪で起訴され、そのうち34件で有罪評決を受け、大統領としても2回弾劾され、女性をレイプしたことが裁判で認定されても、選挙におけるトランプの優勢は動かなかった。

女性大統領はやっぱり無理?

それどころか、トランプがハリスのことを「低脳」とか「クレイジー・カマラ」とか「コムラード(共産主義者)・カマラ」など、ひどいあだ名で呼んでも、むしろ多くの有権者にはアピールしたようだ。

トランプの発言は嘘だらけだったが、それはファクトチェック以上に、間違った解説や、人をおちょくったミームや、ディープフェイクを爆発的に増加させた。

トランプは「憎悪に満ちた選挙活動」をしているのはハリスだと断言し、21年1月の連邦議会議事堂襲撃事件は「愛の日」だと語り、それが何百万人もの熱狂的な支持者に受け入れられた。

もちろん今回の大統領選でも、ロシアや中国、イランといった国々が偽情報をばらまいた。

しかしその影響工作は以前よりもはるかに巧妙になり、はるかに広く蔓延したため、アメリカのテック企業は取り締まりを諦め、自社が運営するプラットフォームがこうした工作の温床となることを許してしまった。それはトランプが権力の座に返り咲く絶好の環境をつくった。

「女性大統領」が敬遠された可能性も
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