アトラス彗星は太陽に接近した数日後、肉眼でも見えるようになり、ハロウィンの10月31日までには金星よりも明るくなる可能性があると期待されていた。

米航空宇宙局(NASA)の太陽観測衛星は、この彗星が太陽の強烈な光を浴びて溶けていく最後の姿を太陽コロナ観測装置でとらえた。同彗星は9月27日に発見されたばかり。太陽系の旅ははかないながらも印象を残した。

アトラスC/2024 S1は、太陽の至近距離を通過するクロイツ群と呼ばれる彗星だった。クロイツ群は19世紀に初めてこの彗星を研究したドイツの天文学者ハインリヒ・クロイツにちなむ命名で、数百年前に分裂した大きな彗星の破片と考えられている。

「クロイツ群は太陽のすぐ近くを通過したり太陽に突っ込んだりする小さな彗星核で、天文学者の間では一般的に、一つの共通する始祖から放出された破片と考えられている。始祖からの放出速度が比較的小さかったことから、同じような楕円軌道を描いている」。スロバキア科学アカデミーの天文学者ルーボス・ネスルサンは本誌にそう語った。

崩壊と蒸発の運命を辿るクロイツ群
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