レッドラインを越えた

特にバイデンが7月に米大統領選からの撤退を表明して以降、アメリカ外交はあまり進展が期待できない状況が続いている。

しかもネタニヤフは以前から公然とバイデンを軽視し、アメリカからの自制の要請を繰り返し無視したり、アメリカが提案するガザ停戦案に同意すると見せかけて結局は拒否したりしてきた。

それでも少なくとも過去1年間、ネタニヤフはおおむねアメリカの要請に従い、ヒズボラやレバノンとの新たな戦闘を始めないようにしているように見えた。だが、9月に入って状況は一変。

イスラエルは米政府への事前通告なしに、ヒズボラ戦闘員の通信機器を狙った妨害工作を実行して大勢の死傷者を出し、新たな戦線を開いた。

さらにその後イスラエルは、ヒズボラの最高指導者ハッサン・ナスララとイラン革命防衛隊の司令官アッバス・ニルフォルーシャンを相次ぎ暗殺。レバノン南部への限定的な地上侵攻に踏み切った。

バイデンにとって最大の問題は「米政府が窮地に追い込まれていることだ」と、イスラエルのシモン・ペレス元大統領の上級顧問だったニムロド・ノビクは言う。「アメリカとイスラエルの隔たりが露呈すれば、イランを含むあらゆる敵対勢力が勢いづく」

イランが越えた「レッドライン」とは?
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