むしろ日本が原則論に従い、交渉による2国家解決を訴求するのであれば、和平への障害となるものに対して厳しい態度を取るほうが効果的なのではないか。

カナダなどが承認の条件としたパレスチナの選挙は、袋小路に入り込んだパレスチナ社会に新たな風を吹き込む上で不可欠であり、日本も選挙監視などに関わる余地は大いにある。

一方、強硬派のネタニヤフ政権による西岸での入植地拡大や併合、さらにはガザの完全占領や再入植を呼びかけるような極右閣僚に、制裁という断固たる措置を取ることもできる。

松本尚外務政務官が8月13日にイスラエル外相に伝えたように、イスラエルの行動によって今まさに「『2国家解決』の前提が崩れかねない」のだ。

今、日本に求められるのは、国家承認という自己満足的な象徴外交ではなく、パレスチナ問題の解決の糸口を探る実効性のある外交だ。

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