ただ、パレスチナ国家承認は一度しか使えない切り札だ。フランスやイギリスといった欧州大国が承認しても即効性がないのは周知の事実。むしろ、ネタニヤフ政権の極右閣僚は、報復としてヨルダン川西岸地区の併合を訴える。

各国が考えるべきなのは承認そのものよりも、承認によりイスラエルがさらに強硬な手段を取ったときにどう対峙するかではないだろうか。

欧州の動きを受けて揺れるのが日本だ。日本はかねてから「総合的に検討する」としつつ、和平交渉の末にパレスチナ国家を承認するのが筋だという立場を取ってきた。だが各国の動きを受け、政府もアンテナを高く張る様子が関係者からはうかがえる。

承認する・しないにせよ、日本は説明を求められる。国際社会が承認に踏み切る一方で日本はなぜ承認しなかったのか、特にアラブ諸国には説明が必要だろう。

将来の承認に向けてどのような施策を打ち出すのかも明確にする必要がある。日本の国会でも与野党から承認を求める声明が出されている以上、前例踏襲では済まされない。

国際社会はおそらく日本がパレスチナを国家承認するとは思っていないだろう。根性論的に言えば、「日本外交もやるときはやる」という気概を見せてほしいと感じるが、意味のない切り札にしてしまうのはもったいないというのが正直なところだ。

問題解決の糸口を探れ
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