<ロシア治安機関が「スパイ容疑」で拘束した日本領事はすでに解放されたが、中国などでもこうした日本人の拘束はたびたび起きている>

9月26日、FSB(ロシア連邦保安局)は違法な情報活動をしていたとして在ウラジオストク日本総領事館の領事を拘束したことが明らかになった。「ペルソナ・ノン・グラータ(好ましからざる人物)」として、48時間以内の国外退去を命じたことがニュースになっている。これはかなり厳しい措置だが、このケースでは、外交官ということで国外退去措置で済んでいるが、外交官でなければ逮捕されて有罪になる可能性もあった。

そんなケースが、2022年2月、 NHKで報じられている

「中国の上海で、去年12月、50代の日本人男性が当局に拘束されたことがわかりました。スパイ行為などの疑いが持たれているとみられ、現地の日本総領事館などが情報収集を進めています。複数の日本政府関係者によりますと、上海で去年12月、50代の日本人男性が、中国の法律に違反した疑いで、当局に拘束されたということです」

容疑の詳しい内容は明らかになっていなかったが、「国家安全当局によって、スパイ行為などの疑いが持たれているとみられるということです」という。

日本政府はこの男性が、本当に中国当局が言うようにスパイだったのかをもちろん把握しているが、詳しいことを明らかにすることはないだろう。スパイだとすればこの人物を危険に晒すことになるし、スパイではないにしてもそれを証明する術がないからだ。

実は中国での日本人スパイの話はちょこちょこ情報が出てくる。2015年からを見ても、現在、日本人16人が中国でスパイ容疑などにより拘束されている。そのうち、8人が刑期を終えて出所または釈放されており、1人が今年2月に獄中死していたことが判明している。残りの7人についてはその後どう扱われているのかは不明である。

日本の情報機関は中国でスパイ活動しているのか

ただここで疑問なのは、日本の情報機関が、中国でスパイ活動をしているのかということだろう。

そもそも、日本には対外情報機関はない。アメリカならCIA(中央情報局)があり、イギリスにはMI6(秘密情報部)、ロシアにはSVR(ロシア対外情報庁)、中国にはMSS(国家安全部)、ドイツにはBND(連邦情報局)、フランスにはDGSE(対外治安総局)、イスラエルにはモサド(イスラエル諜報特務庁)といったスパイ機関が存在する。

拘束された人たちは何者なのか