「チッソ」と「PG&E」の共通項は、企業の利益を優先して人々の健康や生活を犠牲にしたこと。告発が許されない空気が地元にあったことも共通する。
でも声を上げた人たちはいた。当初のエリンは孤軍奮闘していたが、水俣では作家の石牟礼道子や写真家のユージン・スミスなど多くの人が声を上げた。2つの公害における大きな違いは国家の姿勢だ。
水俣では国によって作られた「公式の認定基準」からこぼれ落ちた人々がいる。その数は決して少なくない。そして彼らは今も、静かに訴えている。私はここにいる。私たちを知ってほしいと。

<本誌2025年10月14日号掲載>
2026年4月21号(4月14日発売)は「台湾有事の新シナリオ」特集。
米・イラン戦争で変わる地域紛争の「大前提」/石油危機を恐れるべき理由
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