トランプ政権時代に噴出したロシアゲート問題については、


元FBI長官のモラー特別検察官、彼を任命した司法副長官のロッド・ローゼンスタイン、ありもしないロシアとの選挙共謀疑惑をでっち上げたコミーFBI長官、彼らは皆ディープステートの活動家で、ユダヤ系です。2年も捜査した挙句ロシアとの共謀の証拠は出てきませんでした。嫌がらせでトランプ大統領の施政の足を引っ張り、全く無駄に国費を浪費しただけでした。

と結論し、トランプ大統領を絶対的に擁護する。当然、DSという単語を広めたのがトランプ大統領自身なのだから当然ではある。しかしここまでくると陰謀論と言うよりも、単にユダヤ系やユダヤ人への蔑視なのではないか。私はほかにも、馬渕氏の『日本を蝕む 新・共産主義 ポリティカル・コレクトネスの欺瞞を見破る精神再武装』(徳間書店)や、『世界を操る支配者の正体』(講談社)など複数の著作を読んでみたが、殆ど同じことが書かれてあり、その主張は前掲書の繰り返しに終始しているので、これ以上の引用はやめることにする。

馬渕氏にも、それに賛同する出演者にも、そしてこれらの動画を根拠とする人々にも、必ずと言ってよい共通点があることは、もうお分かりいただけたと思う。それは深刻な既存の大手マスメディアに対する不信感である。

文字起こしの部分にはないが、馬渕氏は産経新聞社の雑誌『正論』にも、この手の趣旨の原稿を書いて一度はボツになった、と語っている(結局、修正ののち掲載されたようである)。根拠がないから一度は編集部が掲載を見送ったのではないだろうか。馬渕氏の世界観では、産経新聞もDSの潜在的影響下のキワにあるという考えなのだろうか。よく分からない。

世界は巨大な権力組織に支配されており、それが真実を人々に伝えようとせず妨害している。つまり真実は巨大な何かによって遮蔽されており、彼らの洗脳から目覚めたときに本当の真実に対して覚醒する―。ネットで真実を知ったとして、極端な排外主義に走るネット保守が、ゼロ年代から盛んに口にしたこの世界観を、私は『マトリックス史観』と名づけている。

"世界の真実はここ"ではないどこかにある

ウォシャウスキー姉妹が監督をした、キアヌ・リーブス主演の映画『マトリックス』は世界的に大ヒットした。主人公ネオは、世界に対し言葉にはできないが奇妙な違和感を抱えている。そんな時に一通のメールが送られてくる。「目覚めよネオ」。そしてネオは、自分の生きている現実世界が実は人工生命体が作った仮想現実であると知り、真実の世界=リアルワールドに覚醒して、現実を遮蔽してきた敵と戦う道筋を選ぶ。

今やネット保守に限らない