アゾフ大隊によるロシア系住民虐殺については立証されていないと書いたので除く。米英仏がヒトラーをしてポーランドに侵攻「させた」というのは論外である。この動画の中で頻出する「彼ら」と言うのは、DSということであり、その中にネオコンが居り、ユダヤ系が居るということになっているらしい。そして「彼ら」がコロナウイルスを拡散して世界征服を企てたが失敗しそうなので、今度はウクライナ危機を「起こさせた」と言う。当然何の根拠もない。

ディープステートとは何か?

さてこの2つの、最早純然たる陰謀論と呼ぶべきに相応しい、現在チェーンメールのように出回っている動画の両方に登場する馬渕氏が繰り返す、DS云々とは、氏の中でどのように定義されているのだろうか。馬渕氏の著書、『ディープステート世界を操るのは誰か』(ワック)には、まず以下のような記述から始まる。


世界を陰から支配する勢力(ディープステート)は、確かに存在しています。読者の皆様は彼らが書いた歪んだ歴史に洗脳されてきたことを知って、驚かれることと思います。本書は影の世界権力の欺瞞を暴く目的で書かれました。私たちが覚醒することによって、今後の世界大動乱期を生き延びることができると信じるからです。これから皆様とともに、生き残りの道を求めて旅に出たいと思います。令和3年(ハルマゲドン元年)5月吉日

として、


ディープステートには特定の本部建物があるわけではなく、課題に応じて世界の仲間が集まって必要な決定を行っていることが想像されるのです。

とする。では「課題に応じて世界の仲間が集まって必要な決定を行っている」場所とはどこなのか、については言及されていない。もしかしたらzoomを使っているのかもしれないが具体的な記述はない。そしてここに繋がるのがネオコンとユダヤ系国際金融資本である、とする。

だから馬渕氏は執拗に、ジョージ・ソロス、コロモイスキー、ロスチャイルドといったユダヤ系を引き合いに出している。しかしネオコンの代表的政治家と目される人々は当然だがユダヤ系とは限らない。そもそも何を以て馬渕氏が「ユダヤ系」としているのか、よく分からない。そして馬渕氏はDSの中にオバマ元大統領を含ませているが、オバマ氏がユダヤ系でないことは書くまでもないだろう。何から何まで、よく分からない。

さながら「マトリックス史観」