[10日 ロイター] - <為替> 英国のメイ首相が11日に予定していた欧州連合(EU)離脱案の議会採決を延期すると発表したことで、英ポンドが1年8カ月ぶりの安値を付けた。
テンパス(ワシントン)のシニア外為トレーダー、ジュアン・ペレス氏は「英ポンドは過去2年間にわたり解決への期待に翻弄されながら緩やかに下落してきたが、ここに来て単一市場からの離脱は繁栄への道ではないことがはっきりとしてきた」と述べた。
英ポンドは対ドル<GBP=D3>で一時1.2507ドルと、2017年4月以来の安値を付けた。その後は1.41%安の1.2546ドルとなっている。
ユーロは対英ポンドで一時90.875ペンスと、3カ月ぶりの高値を更新。その後は1.06%高の90.475ペンスとなっている。
ただユーロはフランスでマクロン政権に反発する抗議運動が継続したことが重しとなり、ユーロ/ドルが0.23%安の1.13535ドル。アジア取引時間帯では1.14425ドルと、約2週間半ぶりの高値を付けていた。
ユーロを含む主要6通貨に対するドル指数<.DXY>は0.74%上昇の97.232。前週は0.78%低下していた。
マニュライフ・アセットマネジメント(ボストン)のアソシエート・ポートフォリオマネジャー、チャック・トメス氏は「米連邦準備理事会(FRB)が向こう1年間で大きくハト派化するとの見方がやや後退した」としている。
<債券> 米債利回りが上昇。米株が一時の下落から反転したことを受けた。メイ英首相が11日に予定されていた欧州連合(EU)離脱(ブレグジット)合意案の議会採決を延期したことで、市場がその混乱や他の資産への影響を消化する中、米債取引はほぼレンジ取引となった。
メイ首相の延期表明を受け、米30年債利回りは3カ月ぶり水準に低下。一方、10年債利回りは8月下旬以来の水準に低下した。英10年債利回りは1.16%と、5月後半以来の水準に低下した。
DRWトレーディングのストラテジスト、ルー・ブライエン氏は、早い時間に米債が買われたのはブレグジットが背景との見方を示した。
米債利回りは30年債を除き、午後の取引で上向いた。午後になって米株が回復し、国債がやや売られた。
また、この日は前2営業日は拡大していた5年債と30年債の利回り格差が縮小。アナリストによると、利回り格差の縮小は地政学リスクの不透明感が増していることを示す。
10年債<US10YT=RR>利回りは一時4カ月ぶり水準に低下したが、午後の取引で2.853%に上昇。前週末は2.85%だった。
30年債<US30YT=RR>利回りは一時3.103%と3カ月ぶり水準に下げたが、午後の取引では3.127%。前週末の3.143%からは低下した。
<株式> 値動きの荒い展開の中、小反発して取引を終えた。テクノロジー株が上昇を主導した。ただ、英国の欧州連合(EU)離脱を巡る不透明感から世界経済への懸念が広がり、上値を抑制した。
ストラテジストによると、S&P総合500種が2月8日に付けた2018年の安値に近付いた時点で、買いシグナルを受けたアルゴリズム取引の買い注文が入ったもよう。S&Pは午前の取引終盤に日中安値を付けた後、下げ幅を縮小してプラス圏で引けた。
アメリプライズの首席市場ストラテジスト、デビッド・ジョイ氏は「この水準で一時的なサポートが入ったようだ」と指摘した。
午前の取引では売りが優勢だったものの、S&P総合500種を構成する11セクターのうち8セクターが上昇して引けた。情報技術セクター<.SPLRCT>は1.4%高、通信セクター<.SPLRCL>は0.8%高。
エネルギー株<.SPNY>は原油価格の下落を背景に売られ1.6%安と、S&Pの11セクターの中で最大の下落率を記録した。世界的な景気減速への懸念などから金融セクター<.SPSY>も1.4%下げ、下落率は2番目の大きさとなった。銀行セクター<.SPXBK>は2.3%急落し、弱気相場入りが確認された。
アップル<AAPL.O>は0.7%高の169.60ドルで終了。テクノロジーセクター全般の幅広い買いにつながった。同社株は、半導体大手クアルコム<QCOM.O>が特許侵害を巡るアップルとの訴訟に関連し、中国の裁判所がiPhoneの輸入と販売を差し止める仮処分を出したと明らかにしたことを受け、一時163.33ドルの安値を付けていた。
<金先物> ドル高・ユーロ安に伴う割高感に圧迫され、3営業日ぶりに反落した。中心限月2月物の清算値は前週末比3.20ドル(0.26%)安の1オンス=1249.40ドル。
外国為替市場では、メイ英政権が議会下院で11日に予定していた欧州連合(EU)離脱合意案の採択延期を表明したことをきっかけに、ドルが対ユーロで急上昇。ドル建てで取引される商品に割高感が生じ、金塊相場にも下押し圧力がかかった。ただ、下げ幅は限定的。世界的な株安傾向で投資家のリスク選好意欲が減退し、安全資産としての金需要も底堅く、相場は下支えされた。また、米景気減速や米中貿易摩擦激化への懸念が広がる中、米連邦準備理事会(FRB)による利上げ局面が想定よりも早期に終了するとの観測がくすぶっていることも、金利を生まない資産である金には引き続き支援材料となった。
<米原油先物> 世界的な株安傾向や対ユーロでのドル高などを背景に売られ、大幅反落した。米国産標準油種WTIの中心限月1月物の清算値は前週末比1.61ドル(3.06%)安の1バレル=51.00ドルだった。2月物は1.61ドル安の51.20ドルとなった。
米中「貿易戦争」の長期化や英国の欧州連合(EU)離脱問題、世界的な景気減速懸念などを背景にこの日も世界的に株安が先行。投資家のリスク回避姿勢が強まる中、株式と並んでリスク資産である原油にも売りが波及した。前週末の反発を受けて利益確定の売りも出やすかった。
また外国為替市場では、英議会下院での欧州連合(EU)離脱合意案の採決延期を受けてドル高・ユーロ安が進行。ドル建てで取引される原油などの商品に割高感が生じたことも売り圧力につながった。このほか、米国、サウジアラビア、ロシアの主要産油国で増産傾向が見られることも引き続き圧迫材料となった。
ドル/円 NY終値 113.33/113.36 <JPY22H=>
始値 112.64 <JPY=>
高値 113.36
安値 112.61
ユーロ/ドル NY終値 1.1355/1.1357 <EUR22H=>
始値 1.1408 <EUR=>
高値 1.1428
安値 1.1350
米東部時間
30年債(指標銘柄) 17時05分 104*22.00 3.1324% <US30YT=RR>
前営業日終値 104*15.50 3.1430%
10年債(指標銘柄) 17時05分 102*08.00 2.8629% <US10YT=RR>
前営業日終値 102*11.50 2.8500%
5年債(指標銘柄) 17時05分 100*23.25 2.7176% <US5YT=RR>
前営業日終値 100*26.50 2.6960%
2年債(指標銘柄) 17時05分 100*01.00 2.7333% <US2YT=RR>
前営業日終値 100*02.38 2.7110%
終値 前日比 %
ダウ工業株30種 24423.26 +34.31 +0.14 <.DJI>
前営業日終値 24388.95
ナスダック総合 7020.52 +51.27 +0.74 <.IXIC>
前営業日終値 6969.25
S&P総合500種 2637.72 +4.64 +0.18 <.SPX>
前営業日終値 2633.08
COMEX金 2月限 1249.4 ‐3.2
前営業日終値 1252.6
COMEX銀 3月限 1460.5 ‐9.1
前営業日終値 1469.6
北海ブレント 2月限 59.97 ‐1.70
前営業日終値 61.67
米WTI先物 1月限 51.00 ‐1.61
前営業日終値 52.61
CRB商品指数 181.6468 ‐2.5048 <.TRCCRB>
前営業日終値 184.1516