[ロンドン 4日 ロイター] - 国際決済銀行(BIS)のカルステンス総支配人は4日、米アマゾン<AMZN.O>や中国の支付宝(アリペイ)などビッグデータを扱うインターネット企業が、従来からの金融機関に対し存続にかかわる脅威になるとの懸念を示した。
大手ネット企業は顧客の支出やライフスタイルに関する情報を多く所有し、与信の判断がしやすくなる場合がある。カルステンス氏は、ロンドンでの銀行業界の会議の合間にロイターに対し、大手ネット企業が従来からの銀行よりも有利になる可能性があると指摘。「これは非常に大きい」と述べた。
さらに「一部の金融仲介業者にとっては存続にかかわる脅威になり得るため、早い段階でこのことを把握し、ひずみの出ないように誘導することは非常に重要だ」と話した。
アリペイは、中国アリババ・グループ・ホールディング<BABA.N>傘下アント・フィナンシャルの電子決済サービス。時価総額ではすでに、英HSBC<HSBA.L>に追いつこうとしている。アリペイや、インターネットサービス大手の騰訊控股(テンセント・ホールディングス)などの成長で、中国当局は監視を強化している。
他方でアマゾン、グーグル<GOOGL.O>やフェイスブック<FB.O>などの米大手企業が金融サービスに事業を拡大する可能性もある。
カルステンス氏は「それぞれの事業モデルは異なるものの、全般的には情報の開拓へ向かっている」とし、「アマゾンはオープンな金融仲介モデルをあまり持っておらず、アリペイのような金融子会社も擁していないが、それを設立することを妨げるものは何もない」と述べた。
同氏によると、重要な点は、金融サービスへ参入するネット企業がソーシャルメディアや物品購入データによりどの程度競争力を得られるかはっきりしていないことだという。
監督当局の観点では、何らかの形で、リスクの高い融資が生まれたり金融システムが不安定化したりするかどうかが問題になる。
カルステンス氏はこの日の講演で「開かれた議論が必要だ」と呼びかけた。