ワクチン首位の国民性

無論、イスラエルを旅している際、「お金のトラブル」がとりわけ頻繁に起きるということなどない。親切で気前のよい人も多く、至って親日的でもあった。

私がテルアビブのホテルのプールで泳いでいたとき、「日本人か?」と声を掛けてきた男性は、「昔、東京の路上でアクセサリーを売っていたことがある」という話だった。彼はうれしそうにビールをおごってくれた。

ユダヤ教、キリスト教、イスラム教の聖地とされるエルサレムには貴重な宗教的建造物が並ぶが、旧市街ではスリやぼったくり、置き引きなどが多発していた。祈りの言葉に満ちた世界最大の聖地が「犯罪まみれ」という光景は、人間の業や本性を感じさせ、妙に「なるほど」と合点がいった気がした。

そんなイスラエルが熾烈なワクチン競争で首位を独走している。日本の対応の緩慢さと比べると、ユダヤ人はやはり「商売上手」で「したたか」なのかもしれないと思う。

<2021年3月2日号掲載>

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