コロナ感染大国アメリカでマスクなしの密着パーティー、警察も手出しできず

2020年8月3日(月)15時00分
ハレダ・ラーマン

<コロナ死者数7500人にのぼるイリノイ州の川で行われる恒例のパーティーには、200隻のボートが集結。どんちゃん騒ぎを繰り広げた>

イリノイ州の川で毎年行われている「ホワイト・トラッシュ・バッシュ」のパーティーが今年も開催され、約500人が参加した。ホワイト・トラッシュ・バッシュとは、参加者がホワイト・トラッシュ(白人の低所得者層)のふりをして安酒を飲み、どんちゃん騒ぎを楽しむイベントで、全米各地で行われている。地元当局は地域の新型コロナウイルス感染症の拡大を警告したが、参加者は誰もマスクをつけていなかった。

イリノイ州ビオリアのテレビ局WMBDが報じたところでは、7月31日の第10回ホワイト・トラッシュ・バッシュに参加するため、イーストビオリアのイリノイ川に集結したボートは約200隻。

パーティーに出席した500〜1000人ほどの参加者は誰もマスクを着用しておらず、新型コロナウイルスの拡散を抑制するためのソーシャル・デスタンス(社会的距離)をとろうとする様子もなかったという。

イリノイ州は公共の場所で他人と安全な距離できない場合、2歳以上の子供を含むすべての人にマスクの着用を義務づけている。免除されるのは医学的にマスクができない場合だけだ。

地元警察は

地元フォン・デュ・ラック・パークの警察は、地元で新型コロナウイルス感染症が増加しているため、パーティーの開催前に参加者に注意を促した。

「ホワイト・トラッシュ・バッシュに参加する皆さん、新型コロナウイルスの感染者が増加していることを忘れないでください」と、警察はフェイスブックで訴えた。「今週末、川に行く場合は注意してください。このイベントは参加者全員をウイルス感染の危険にさらす可能性があります。常識を働かせ、ソーシャル・ディスタンスを心がけてください」

過去のホワイト・トラッシュ・バッシュの模様を撮影した写真と一緒に、警察は警告した。「この写真のような状態では、社会的距離をとれないし、あなただけでなく、あなたの家族にもウイルス感染の危険をもたらします。本署は、他の法執行機関と共に川で待機し、舟遊びの安全を守るために、無謀な船の操縦、ライフジャケットの不備、乗船定員超過、薬物/アルコール関連の犯罪などを取り締まります。みんなが無事に家に帰ることができるよう、安全を心がけてください」

フォン・デュ・ラック・パーク地区を統括するマイク・ジョンソンがWMBDに語ったところでは、警察は5年ほど前のイベントで喧嘩沙汰が起きたことからこのパーティーの監視を開始した。参加者は多ければ1000人にのぼるという。

<参考記事>新型コロナウイルスは恐れを知らない若者にも感染し、重症化する
<参考記事>マスクが「必須のアクセサリー」になる時代、NYファッションショーにも登場

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