最新記事
ウクライナ戦争

爆発と炎上、止まらぬドローン攻撃...ウクライナの標的となるロシア石油施設

Massive Explosion Rocks Russian Oil Terminal Amid Drone Raid: Video

2024年12月13日(金)13時10分
マヤ・メフララ
ロシア石油施設への執拗な攻撃...ブリャンスクでまたも爆発 @KyivPost-X

ロシア石油施設への執拗な攻撃...ブリャンスクでまたも爆発 @KyivPost-X

<ロシアが誇る世界最大のパイプライン運営企業の施設がウクライナのドローン攻撃で爆発炎上>

12月11日未明、ウクライナ軍がロシア西部の都市ブリャンスクの石油貯蔵施設にドローン(無人機)攻撃を行い、施設内数カ所で爆発が起きた。ウクライナの英字紙キーウ・ポストがXの公式アカウントでその模様を捉えた動画を公開した。

攻撃を受けたのはパイプライン運営企業トランスネフチが所有する施設で、攻撃後に火災が発生したと、ウクライナのメディア・RBCウクライナが伝えている。

【動画】ロシア最大のパイプライン施設が標的に...ウクライナのドローン攻撃で爆発炎上

今年に入りウクライナはロシアの石油関連施設にドローン攻撃を繰り返していて、今回の攻撃もロシア最大の輸出産業に打撃を与えることを狙ったものとみられる。ウクライナの度重なる攻撃で、ロシアでは石油製品の生産設備が被害を受け、ガソリン価格が高騰するな深刻な影響が出ている。

本誌はロシアとウクライナ双方の国防省にメールでコメントを求めている。

「火は消し止めた」と州知事

メッセージアプリ・テレグラムのロシア政府系のチャンネル「ショット」は、地元住民の話として、ブリャンスクのフォキンスキー地区で11日午前0時過ぎに6〜10回の爆発音がしたと伝えている。ブリャンスクはウクライナとの国境から約100キロの地点に位置する。

ブリャンスク州のアレクサンデル・ボゴマズ知事は、ロシア空軍が「10機の航空機タイプのUAV(無人飛行物体)を発見・破壊し」、死傷者はゼロだったと、テレグラムに投稿した。

知事はテレグラムの投稿で火災にも触れている。「ブリャンスクへのドローン攻撃により、生産施設で火災が発生したが、ロシア連邦非常事態省のブリャンスク州駐在チームの見事な連携による高度に専門的な消火活動のおかげで、既に火は消し止められた。勇敢な消防士たちに感謝!」

国営企業のトランスネフチは世界最大のパイプライン運営会社で、ロシアで生産される石油の85%以上を輸送していると、世界石油会議のロシア国内委員会が報告している。同社が所有するパイプラインは総延長6万9000キロ余りにも上る。

対談
為末大×TAKUMI──2人のプロが語る「スポーツとお金」 セカンドキャリアの前に「考えるべき」こととは?
あわせて読みたい
ニュース速報

ワールド

アングル:ドローン大量投入に活路、ロシアの攻勢に耐

ビジネス

米国株式市場=S&P・ナスダックほぼ変わらず、トラ

ワールド

トランプ氏、ニューズ・コープやWSJ記者らを提訴 

ビジネス

IMF、世界経済見通し下振れリスク優勢 貿易摩擦が
あわせて読みたい
MAGAZINE
特集:AIの6原則
特集:AIの6原則
2025年7月22日号(7/15発売)

加速度的に普及する人工知能に見えた「限界」。仕事・学習で最適化する6つのルールとは?

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    その首輪に書かれていた「8文字」に、誰もが言葉を失った
  • 2
    「細身パンツ」はもう古い...メンズファッションは「ゆったり系」がトレンドに
  • 3
    「想像を絶する」現場から救出された164匹のシュナウザーたち
  • 4
    頭はどこへ...? 子グマを襲った「あまりの不運」が…
  • 5
    日本より危険な中国の不動産バブル崩壊...目先の成長…
  • 6
    「二次制裁」措置により「ロシアと取引継続なら大打…
  • 7
    「どの面下げて...?」ディズニーランドで遊ぶバンス…
  • 8
    ロシアの労働人口減少問題は、「お手上げ状態」と人…
  • 9
    「異常な出生率...」先進国なのになぜ? イスラエル…
  • 10
    アフリカ出身のフランス人歌手「アヤ・ナカムラ」が…
  • 1
    その首輪に書かれていた「8文字」に、誰もが言葉を失った
  • 2
    頭はどこへ...? 子グマを襲った「あまりの不運」が話題に
  • 3
    「ベンチプレス信者は損している」...プッシュアップを極めれば、筋トレは「ほぼ完成」する
  • 4
    日本より危険な中国の不動産バブル崩壊...目先の成長…
  • 5
    「お腹が空いていたんだね...」 野良の子ネコの「首…
  • 6
    どの学部の卒業生が「最も稼いでいる」のか? 学位別…
  • 7
    アメリカで「地熱発電革命」が起きている...来年夏に…
  • 8
    千葉県の元市長、「年収3倍」等に惹かれ、国政に打っ…
  • 9
    ネグレクトされ再び施設へ戻された14歳のチワワ、最…
  • 10
    「二度とやるな!」イタリア旅行中の米女性の「パス…
  • 1
    その首輪に書かれていた「8文字」に、誰もが言葉を失った
  • 2
    「コーヒーを吹き出すかと...」ディズニーランドの朝食が「高額すぎる」とSNSで大炎上、その「衝撃の値段」とは?
  • 3
    頭はどこへ...? 子グマを襲った「あまりの不運」が話題に
  • 4
    「あまりに愚か...」国立公園で注意を無視して「予測…
  • 5
    10歳少女がサメに襲われ、手をほぼ食いちぎられる事…
  • 6
    JA・卸売業者が黒幕説は「完全な誤解」...進次郎の「…
  • 7
    燃え盛るロシアの「黒海艦隊」...ウクライナの攻撃で…
  • 8
    ディズニー・クルーズラインで「子供が海に転落」...…
  • 9
    「小麦はもう利益を生まない」アメリカで農家が次々…
  • 10
    イランを奇襲した米B2ステルス機の謎...搭乗した専門…
トランプ2.0記事まとめ
日本再発見 シーズン2
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中