最新記事
中東情勢

ガザの人道状況改善要求...アメリカがイスラエルに書簡で警告

2024年10月16日(水)10時42分
パレスチナ地区ガザ

ブリンケン米国務長官とオースティン国防長官はイスラエル当局に書簡を送り、パレスチナ地区ガザにおける人道状況の改善に向けた措置を30日以内に講じるよう要請した。(2024年 ロイター/Hatem Khaled)

ブリンケン米国務長官とオースティン国防長官は、パレスチナ地区ガザの人道状況改善に向けた措置を30日以内に講じるよう求める書簡をイスラエル政府に送付した。措置が講じられなければ、米国による軍事支援を制限する可能性も警告した。米当局者が15日明らかにした。

イスラエル軍がガザ北部で再び攻勢を強める中、両長官は13日付の書簡で、ガザの人道状況悪化に対処する具体的な措置を求めた。


 

米ニュースサイトのアクシオスがXに投稿した書簡の写しには「イスラエル政府による最近の行動がガザの状況悪化を加速させていることを特に懸念している」と記されている。

書簡は商業輸入の制限やガザへの物資搬入に対する「煩雑で過剰な」制限などイスラエルが課している制約に言及。

1日当たり最低350台のトラックのガザ入りを可能にするなど、イスラエルが30日以内に取るべき具体的な措置が盛り込まれている。

書簡は米国の人道支援を妨害する国への軍事支援を禁じる米国法に言及し、「一連の措置を実施し維持するという継続的な取り組みが示されなければ、米国の政策やその関連法に影響が及ぶ可能性がある」とした。

ホワイトハウスのカービー大統領補佐官は書簡について「脅しを意図したものではない」としつつ、ガザへの人道支援強化の緊急性を改めて強調。「(イスラエル側は)真剣に受け止めているようだ」と述べた。

在ワシントンのイスラエル当局者は書簡を精査中だとした上で、「この問題を真剣に受け止めており、書簡で示された懸念について米国側と協議する方針だ」と述べた。

書簡では米国が「民間人への被害の事案について提起し協議」する新たなルートも提案した。国務省のミラー報道官は詳しい言及を控えた上で、イスラエルは民間人の被害に対処する十分な措置を講じていないと指摘した。



[ロイター]


トムソンロイター・ジャパン

Copyright (C) 2024トムソンロイター・ジャパン(株)記事の無断転用を禁じます

ニューズウィーク日本版 英語で学ぶ国際ニュース超入門
※画像をクリックすると
アマゾンに飛びます

2025年5月6日/13日号(4月30日発売)は「英語で学ぶ 国際ニュース超入門」特集。トランプ2.0/関税大戦争/ウクライナ和平/中国・台湾有事/北朝鮮/韓国新大統領……etc.

※バックナンバーが読み放題となる定期購読はこちら


あわせて読みたい
ニュース速報

ビジネス

NY外為市場=ドル上昇、円は日銀の見通し引き下げ受

ビジネス

アップル、1─3月業績は予想上回る iPhoneに

ビジネス

アマゾン第1四半期、クラウド事業の売上高伸びが予想

ワールド

トランプ氏、ウォルツ大統領補佐官解任し国連大使に指
あわせて読みたい
MAGAZINE
特集:英語で学ぶ 国際ニュース超入門
特集:英語で学ぶ 国際ニュース超入門
2025年5月 6日/2025年5月13日号(4/30発売)

「ゼロから分かる」各国・地域情勢の超解説と時事英語

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    日本の未婚男性の「不幸感」は他国と比べて特異的に高く、女性では反対に既婚の方が高い
  • 2
    マリフアナを合法化した末路とは? 「バラ色の未来が来るはずだったのに...」
  • 3
    タイタニック生存者が残した「不気味な手紙」...何が書かれていた?
  • 4
    ウクライナ戦争は終わらない──ロシアを動かす「100年…
  • 5
    インド北部の「虐殺」が全面「核戦争」に発展するか…
  • 6
    MRI検査で体内に「有害金属」が残留する可能性【最新…
  • 7
    悲しみは時間薬だし、幸せは自分次第だから切り替え…
  • 8
    日本旅行が世界を魅了する本当の理由は「円安」では…
  • 9
    クルミで「大腸がんリスク」が大幅に下がる可能性...…
  • 10
    朝1杯の「バターコーヒー」が老化を遅らせる...細胞…
  • 1
    日本史上初めての中国人の大量移住が始まる
  • 2
    日本旅行が世界を魅了する本当の理由は「円安」ではない
  • 3
    MRI検査で体内に「有害金属」が残留する可能性【最新研究】
  • 4
    中国で「ネズミ人間」が増殖中...その驚きの正体とは…
  • 5
    ロシア国内エラブガの軍事工場にウクライナが「ドロ…
  • 6
    日本の未婚男性の「不幸感」は他国と比べて特異的に…
  • 7
    パニック発作の原因の多くは「ガス」だった...「ビタ…
  • 8
    マリフアナを合法化した末路とは? 「バラ色の未来…
  • 9
    使うほど脱炭素に貢献?...日建ハウジングシステムが…
  • 10
    私の「舌」を見た医師は、すぐ「癌」を疑った...「口…
  • 1
    【話題の写真】高速列車で前席のカップルが「最悪の行為」に及ぶ...インド人男性の撮影した「衝撃写真」にネット震撼【画像】
  • 2
    日本史上初めての中国人の大量移住が始まる
  • 3
    日本旅行が世界を魅了する本当の理由は「円安」ではない
  • 4
    健康寿命を伸ばすカギは「人体最大の器官」にあった.…
  • 5
    【心が疲れたとき】メンタルが一瞬で “最…
  • 6
    間食はなぜ「ナッツ一択」なのか?...がん・心疾患・抜…
  • 7
    北朝鮮兵の親たち、息子の「ロシア送り」を阻止する…
  • 8
    【クイズ】世界で最も「半導体の工場」が多い国どこ…
  • 9
    クレオパトラの墓をついに発見? 発掘調査を率いた…
  • 10
    中居正広は何をしたのか? 真相を知るためにできる…
トランプ2.0記事まとめ
日本再発見 シーズン2
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中