最新記事
少子化

一部の先進国で出生率が大幅以下、経済的懸念が重しに【OECD報告】

2024年6月21日(金)08時20分
母と子

経済協力開発機構(OECD)が20日発表した報告書によると、先進国の一部で出生率が大幅に低下し、経済的懸念から子どもを持つことの負担を慎重に考える傾向が強まる中、今後も出生率は低い水準にとどまる可能性が高いことが明らかになった。2022年2月撮影(2024年 ロイター/Emily Elconin)

経済協力開発機構(OECD)が20日発表した報告書によると、先進国の一部で出生率が大幅に低下し、経済的懸念から子どもを持つことの負担を慎重に考える傾向が強まる中、今後も出生率は低い水準にとどまる可能性が高いことが明らかになった。

OECD加盟国の多くである程度の年齢になってから子どもを持つか、もしくは子どもを持たないかを選択する人が増えており、報告書は「若い男女は親になること以外の生き方に意義を見いだす傾向が強まっている」と言及した。

女性1人が生涯に産む子どもの推定人数「合計特殊出生率」のOECD加盟国平均は、2022年に1.5人と、1960年の3.3人から低下した。

合計特殊出生率が特に低いのは韓国で0.7で、イタリアとスペインはそれぞれ1.2。一方、最も高いのはイスラエルの2.9で、メキシコとフランスがそれぞれ1.8だった。

主要先進国で女性の出産平均年齢は2022年には30.9歳と、2000年の28.6歳から上昇した。

1935年生まれと75年生まれの女性を比べると、子供を持たない女性の割合は、エストニア、イタリア、日本、リトアニア、ポーランド、ポルトガル、スペインでいずれも倍増した。

OECD雇用労働社会問題局長のステファノ・スカルペッタ氏は電話会見で「OECD加盟国は家庭を支援するためにさまざまな政策を実施しているが、子どもを持つことによる経済的な負担や長期間に及ぶ資金確保への不安が、親になるという決断をする上で引き続き大きな影響を与えている」と指摘した。




[ロイター]


トムソンロイター・ジャパン

Copyright (C) 2024トムソンロイター・ジャパン(株)記事の無断転用を禁じます

ニューズウィーク日本版 高市早苗研究
※画像をクリックすると
アマゾンに飛びます

2025年11月4日/11日号(10月28日発売)は「高市早苗研究」特集。課題だらけの日本の政治・経済・外交を初の女性首相はこう変える

※バックナンバーが読み放題となる定期購読はこちら



あわせて読みたい
ニュース速報

ビジネス

日産、横浜本社ビルを970億円で売却 リースバック

ビジネス

カタール航空、香港キャセイ航空の全保有株売却 8.

ビジネス

米財務省、今後数四半期の入札規模据え置きへ 将来的

ビジネス

米クアルコム、10─12月期見通しが予想上回る ス
あわせて読みたい
MAGAZINE
特集:高市早苗研究
特集:高市早苗研究
2025年11月 4日/2025年11月11日号(10/28発売)

課題だらけの日本の政治・経済・外交を初の女性首相はこう変える

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    「不気味すぎる...」カップルの写真に映り込んだ「謎の存在」がSNSで話題に、その正体とは?
  • 2
    【クイズ】本州で唯一「クマが生息していない県」はどこ?
  • 3
    虹に「極限まで近づく」とどう見える?...小型機パイロットが撮影した「幻想的な光景」がSNSで話題に
  • 4
    NY市長に「社会主義」候補当選、マムダニ・ショック…
  • 5
    「なんだコイツ!」網戸の工事中に「まさかの巨大生…
  • 6
    カナダ、インドからの留学申請74%を却下...大幅上昇…
  • 7
    もはや大卒に何の意味が? 借金して大学を出ても「商…
  • 8
    【ウクライナ】要衝ポクロウシクの攻防戦が最終局面…
  • 9
    約500年続く和菓子屋の虎屋がハーバード大でも注目..…
  • 10
    若いホホジロザメを捕食する「シャークハンター」シ…
  • 1
    【クイズ】本州で唯一「クマが生息していない県」はどこ?
  • 2
    「不気味すぎる...」カップルの写真に映り込んだ「謎の存在」がSNSで話題に、その正体とは?
  • 3
    【クイズ】クマ被害が相次ぐが...「熊害」の正しい読み方は?
  • 4
    【クイズ】ヒグマの生息数が「世界で最も多い国」は…
  • 5
    【ウクライナ】要衝ポクロウシクの攻防戦が最終局面…
  • 6
    9歳女児が行方不明...失踪直前、防犯カメラに映った…
  • 7
    【クイズ】1位は「蚊」...世界で「2番目に」人間を殺…
  • 8
    「日本のあの観光地」が世界2位...エクスペディア「…
  • 9
    女性の後を毎晩つけてくるストーカー...1週間後、雨…
  • 10
    だまされやすい詐欺メールTOP3を専門家が解説
  • 1
    【クイズ】本州で唯一「クマが生息していない県」はどこ?
  • 2
    英国で「パブ離れ」が深刻化、閉店ペースが加速...苦肉の策は「日本では当たり前」の方式だった
  • 3
    【クイズ】ヒグマの生息数が「世界で最も多い国」はどこ?
  • 4
    かばんの中身を見れば一発でわかる!「認知症になり…
  • 5
    1000人以上の女性と関係...英アンドルー王子、「称号…
  • 6
    「不気味すぎる...」カップルの写真に映り込んだ「謎…
  • 7
    悲しみで8年間「羽をむしり続けた」オウム...新たな…
  • 8
    【クイズ】クマ被害が相次ぐが...「熊害」の正しい読…
  • 9
    【クイズ】日本でツキノワグマの出没件数が「最も多…
  • 10
    お腹の脂肪を減らす「8つのヒント」とは?...食事以…
トランプ2.0記事まとめ
日本再発見 シーズン2
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中