最新記事
中台関係

中国、台湾周辺で大規模軍事活動 総統選以降初めて

2024年1月18日(木)10時59分

台湾の国防部(国防省)は、17日の夕方に18機の中国空軍機が台湾周辺を飛行し、中国の軍艦と「共同戦闘準備哨戒」を行っているのを検知したと発表した。13日に実施された台湾総統選以降、初めての大規模軍事活動としている。(2024年 ロイター/Dado Ruvic)

台湾の国防部(国防省)は、17日夜に18機の中国空軍機が台湾周辺を飛行し、中国の軍艦と「共同戦闘準備哨戒」を行っているのを確認したと発表した。13日に実施された台湾総統選以降、初めての大規模軍事活動としている。

国防部によると、現地時間17日午後7時50分(日本時間午後8時50分)ごろから、台湾北部と中部の沖のほか、台湾の南西沖を「Suー30」戦闘機を含む18機が飛行。このうち11機が台湾海峡の中間線を越えて台湾側に侵入したか、中間線付近を飛行し、中国の軍艦と共に「共同戦闘準備哨戒」を行ったという。

 

台湾は監視のために軍を派遣。国防部は声明で「台湾海峡周辺の安全と繁栄は世界の発展と安定に密接に関係しており、この地域の全ての当事者が共有すべき義務と責任だ」とし、「敵の脅威と自衛の必要性に応じて自衛能力を強化し続け、地域の脅威に対応していく」と表明した。

中国国防省は今のところ反応していない。

中国国務院台湾事務弁公室はこの日、台湾統一のために武力行使も辞さないとの中国の立場について、外国からの干渉と少数の分離主義者に向けられたものであり、台湾の大半を占める同胞を念頭に置いたものではないと発表していた。

米国務省報道官は、中国政府の行動を注視しており、台湾の選挙結果を緊張激化の口実にしないよう求めていると述べた。「われわれは一貫して自制を促しており、台湾海峡と周辺地域の平和と安定を数十年間維持してきた現状を一方的に変更しないよう求めてきた」と説明した。

バイデン政権の関係者は「中国政府が今後数カ月間台湾への圧力を徐々に強めても不思議ではない」と述べた。



[ロイター]


トムソンロイター・ジャパン

Copyright (C) 2024トムソンロイター・ジャパン(株)記事の無断転用を禁じます

202404300507issue_cover150.jpg
※画像をクリックすると
アマゾンに飛びます

2024年4月30日/5月7日号(4月23日発売)は「世界が愛した日本アニメ30」特集。ジブリのほか、『鬼滅の刃』『AKIRA』『ドラゴンボール』『千年女優』『君の名は。』……[PLUS]北米を席巻する日本マンガ

※バックナンバーが読み放題となる定期購読はこちら


【20%オフ】GOHHME 電気毛布 掛け敷き兼用【アマゾン タイムセール】

(※画像をクリックしてアマゾンで詳細を見る)

今、あなたにオススメ
ニュース速報

ワールド

アングル:1ドルショップに光と陰、犯罪化回避へ米で

ビジネス

日本製鉄、USスチール買収予定時期を変更 米司法省

ワールド

英外相、ウクライナ訪問 「必要な限り」支援継続を確

ビジネス

米国株式市場=上昇、FOMC消化中 決算・指標を材
今、あなたにオススメ
MAGAZINE
特集:世界が愛した日本アニメ30
特集:世界が愛した日本アニメ30
2024年4月30日/2024年5月 7日号(4/23発売)

『AKIRA』からジブリ、『鬼滅の刃』まで、日本アニメは今や世界でより消費されている

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1

    常圧で、種結晶を使わず、短時間で作りだせる...韓国の研究チームが開発した「第3のダイヤモンド合成法」の意義とは?

  • 2

    「2枚の衛星画像」が伝える、ドローン攻撃を受けたロシア空軍基地の被害規模

  • 3

    ロシア「BUK-M1」が1発も撃てずに吹き飛ぶ瞬間...ミサイル発射寸前の「砲撃成功」動画をウクライナが公開

  • 4

    「500万ドルの最新鋭レーダー」を爆破...劇的瞬間を…

  • 5

    ロシアの大規模ウクライナ空爆にNATO軍戦闘機が一斉…

  • 6

    ロシア軍の拠点に、ウクライナ軍FPVドローンが突入..…

  • 7

    「複雑で自由で多様」...日本アニメがこれからも世界…

  • 8

    中国のコモディティ爆買い続く、 最終兵器「人民元切…

  • 9

    どの顔が好き? 「パートナーに求める性格」が分かる…

  • 10

    「TSMC創業者」モリス・チャンが、IBM工場の買収を視…

  • 1

    ロシア「BUK-M1」が1発も撃てずに吹き飛ぶ瞬間...ミサイル発射寸前の「砲撃成功」動画をウクライナが公開

  • 2

    一瞬の閃光と爆音...ウクライナ戦闘機、ロシア軍ドローンを「空対空ミサイルで撃墜」の瞬間映像が拡散

  • 3

    「おやつの代わりにナッツ」でむしろ太る...医学博士が教えるスナック菓子を控えるよりも美容と健康に大事なこと

  • 4

    どの顔が好き? 「パートナーに求める性格」が分かる…

  • 5

    AIパイロットvs人間パイロット...F-16戦闘機で行われ…

  • 6

    日本マンガ、なぜか北米で爆売れ中...背景に「コロナ…

  • 7

    「2枚の衛星画像」が伝える、ドローン攻撃を受けたロ…

  • 8

    「すごい胸でごめんなさい」容姿と演技を酷評された…

  • 9

    ウクライナ軍ブラッドレー歩兵戦闘車の強力な射撃を…

  • 10

    ロシアの大規模ウクライナ空爆にNATO軍戦闘機が一斉…

  • 1

    韓国で「イエス・ジャパン」ブームが起きている

  • 2

    ロシア「BUK-M1」が1発も撃てずに吹き飛ぶ瞬間...ミサイル発射寸前の「砲撃成功」動画をウクライナが公開

  • 3

    「おやつの代わりにナッツ」でむしろ太る...医学博士が教えるスナック菓子を控えるよりも美容と健康に大事なこと

  • 4

    最強生物クマムシが、大量の放射線を浴びても死なな…

  • 5

    ロシアが前線に投入した地上戦闘ロボットをウクライ…

  • 6

    「燃料気化爆弾」搭載ドローンがロシア軍拠点に突入…

  • 7

    世界3位の経済大国にはなれない?インドが「過大評価…

  • 8

    タトゥーだけではなかった...バイキングが行っていた…

  • 9

    一瞬の閃光と爆音...ウクライナ戦闘機、ロシア軍ドロ…

  • 10

    NASAが月面を横切るUFOのような写真を公開、その正体…

日本再発見 シーズン2
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中