最新記事

深海

科学者を驚かせたこの生物の正体は?

2022年2月18日(金)18時15分
佐藤太郎

ベールに包まれた謎の深海魚

また、若いゴースト・シャークは成体とは全く異なる特徴を示すという。

「よりよく研究されているキメラの仲間から、幼魚と成魚では食事や生息地の条件が異なることが分かっています。また、幼魚は成魚とは異なり、独特の色彩パターンを持っています。発見は、この謎めいた深海魚の生物学と生態をより深く理解するのに役立つでしょう」

このサメの正確な種を特定するためには、さらなる検査と遺伝子分析が必要であると彼女は指摘している。

キメラは「ラット・フィッシュ」とも呼ばれ、数百万年前から生息している。国際自然保護連合の一部門であるサメ専門家グループの科学者たちは最近、ゴースト・シャーク種の16%が 絶滅危惧または絶滅寸前であると発表した。

2020年12月に『Fish and Fisheries』誌に発表されたこの評価では、ゴースト・シャーク種の15パーセントが「研究が不十分で、絶滅のリスクを判断できない」とも述べられている(The New York Times)。

目は反射組織層で裏打ちされ暗闇で光っているように見えるため、キメラは不気味で幽霊のようだ Natural World Facts/YouTube

<注目の記事>
透明な頭部、極めて珍しい深海魚「デメニギス」の姿が動画で撮影された
光を99%吸収 最も黒い深海魚が発見される
推定500歳!地上で最古の脊椎動物はガリレオの時代から生きてきた

今、あなたにオススメ

関連ワード

ニュース速報

ワールド

ベトナム、26年は10%成長目標に 外的圧力でも勢

ワールド

高市氏に1回目から投票、閣外協力「逃げ」でない=維

ビジネス

中国GDP、第3四半期は前年比+4.8% 1年ぶり

ワールド

トランプ氏「大規模」関税続くとインドに警告、ロ産原
今、あなたにオススメ
MAGAZINE
特集:日本人と参政党
特集:日本人と参政党
2025年10月21日号(10/15発売)

怒れる日本が生んだ「日本人ファースト」と参政党現象。その源泉にルポと神谷代表インタビューで迫る

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    1000人以上の女性と関係...英アンドルー王子、「称号返上を表明」も消えない生々しすぎる「罪状」
  • 2
    【クイズ】日本でツキノワグマの出没件数が「最も多い県」はどこ?
  • 3
    本当は「不健康な朝食」だった...専門家が警告する「実は避けるべき」一品とは?
  • 4
    今年、記録的な数の「中国の飲食店」が進出した国
  • 5
    ニッポン停滞の証か...トヨタの賭ける「未来」が関心…
  • 6
    ギザギザした「不思議な形の耳」をした男性...「みん…
  • 7
    【クイズ】ヒグマの生息数が「世界で最も多い国」は…
  • 8
    「中国は危険」から「中国かっこいい」へ──ベトナム…
  • 9
    自重筋トレの王者「マッスルアップ」とは?...瞬発力…
  • 10
    【インタビュー】参政党・神谷代表が「必ず起こる」…
  • 1
    1000人以上の女性と関係...英アンドルー王子、「称号返上を表明」も消えない生々しすぎる「罪状」
  • 2
    お腹の脂肪を減らす「8つのヒント」とは?...食事以外の「2つの隠れた要因」が代謝を狂わせていた
  • 3
    【クイズ】日本でツキノワグマの出没件数が「最も多い県」はどこ?
  • 4
    まるで『トップガン』...わずか10mの至近戦、東シナ…
  • 5
    フィリピンで相次ぐ大地震...日本ではあまり報道され…
  • 6
    中国人が便利な「調理済み食品」を嫌うトホホな理由…
  • 7
    日本で外国人から生まれた子どもが過去最多に──人口…
  • 8
    「心の知能指数(EQ)」とは何か...「EQが高い人」に…
  • 9
    本当は「不健康な朝食」だった...専門家が警告する「…
  • 10
    「欧州最大の企業」がデンマークで生まれたワケ...奇…
  • 1
    かばんの中身を見れば一発でわかる!「認知症になりやすい人」が持ち歩く5つのアイテム
  • 2
    「大谷翔平の唯一の欠点は...」ドジャース・ロバーツ監督が明かすプレーオフ戦略、監督の意外な「日本的な一面」とは?
  • 3
    カミラ王妃のキャサリン妃への「いら立ち」が話題に...「少々、お控えくださって?」
  • 4
    増加する「子どもを外注」する親たち...ネオ・ネグレ…
  • 5
    悲しみで8年間「羽をむしり続けた」オウム...新たな…
  • 6
    1000人以上の女性と関係...英アンドルー王子、「称号…
  • 7
    バフェット指数が異常値──アメリカ株に「数世代で最…
  • 8
    「日本の高齢化率は世界2位」→ダントツの1位は超意外…
  • 9
    お腹の脂肪を減らす「8つのヒント」とは?...食事以…
  • 10
    【クイズ】日本人が唯一「受賞していない」ノーベル…
トランプ2.0記事まとめ
日本再発見 シーズン2
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中