最新記事

感染症対策

オーストラリア、米メルクの経口コロナ治療薬を購入へ 韓国、台湾なども購入協議

2021年10月6日(水)10時32分
米製薬大手メルクが開発中の新型コロナウイルスの経口治療薬「モルヌピラビル」

オーストラリアのモリソン首相は、米製薬大手メルクが開発中の新型コロナウイルス感染症の経口治療薬「モルヌピラビル」を30万回分購入すると発表した。写真は同治療薬。提供写真(2021年 ロイター/Merck & Co Inc)

オーストラリアのモリソン首相は5日、米製薬大手メルクが開発中の新型コロナウイルス感染症の経口治療薬「モルヌピラビル」を30万回分購入すると発表した。ビクトリア州ではこの日、新型コロナの新規感染者が国内最多を記録した。

メルクの治療薬は規制当局の承認を得れば、新型コロナ感染症治療薬としては世界初の経口抗ウイルス薬となる。専門家によると、重症化の恐れがある患者の入院や死亡のリスクを約50%減らす効果がある。

モリソン首相はナインニュースに対し、「この治療薬はわれわれがウイルスと共存できるようになることを意味する」と述べた。

オーストラリアは、ワクチン接種を完了した国籍保有者と永住者を対象に来月からの国境閉鎖解除を目指している。

モリソン首相は、豪規制当局が承認すれば、モルヌピラビルは来年初めまでに国内で利用可能になる見通しだと述べた。

メルクは同薬を年末までに1000万回分を製造する予定。韓国、タイ、台湾、マレーシアが購入に向けて協議を行っていると発表しているほか、フィリピンで臨床試験が行われている。

オーストラリアはワクチン接種率を高めることを目指しており、1回目接種を終えた成人の割合は国内全体で5日午前に80%を超えた。

ビクトリア州の新規感染者は1763人と、2日に記録したこれまでの最多1488人を上回った。

ニューサウスウェールズ州の新規感染者は608人で、前日の623人から減少。7週間ぶりの低水準となった。この日に州首相に選出されたドミニク・ペロテット氏は、来週11日からロックダウンを緩和する見通しだと述べた。同州では11日までに16歳以上の州民のワクチン接種比率が70%に達すると予想されている。

[ロイター]


トムソンロイター・ジャパン

Copyright (C) 2021トムソンロイター・ジャパン(株)記事の無断転用を禁じます


【話題の記事】
・誤って1日に2度ワクチンを打たれた男性が危篤状態に
・新型コロナ感染で「軽症で済む人」「重症化する人」分けるカギは?
・世界の引っ越したい国人気ランキング、日本は2位、1位は...


今、あなたにオススメ
ニュース速報

ワールド

チェコ、新首相にバビシュ氏 反EUのポピュリスト

ビジネス

米ファンドのエリオット、豊田織株5.01%保有 「

ワールド

タイ・カンボジア紛争、トランプ氏が停戦復活へ電話す

ビジネス

プライベートクレジットのデフォルト率、来年4.5%
今、あなたにオススメ
MAGAZINE
特集:ジョン・レノン暗殺の真実
特集:ジョン・レノン暗殺の真実
2025年12月16日号(12/ 9発売)

45年前、「20世紀のアイコン」に銃弾を浴びせた男が日本人ジャーナリストに刑務所で語った動機とは

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    日本の「クマ問題」、ドイツの「問題クマ」比較...だから日本では解決が遠い
  • 2
    【クイズ】アジアで唯一...「世界の観光都市ランキング」でトップ5に入ったのはどこ?
  • 3
    トランプの面目丸つぶれ...タイ・カンボジアで戦線拡大、そもそもの「停戦合意」の効果にも疑問符
  • 4
    中国の著名エコノミストが警告、過度の景気刺激が「…
  • 5
    死者は900人超、被災者は数百万人...アジア各地を襲…
  • 6
    「韓国のアマゾン」クーパン、国民の6割相当の大規模情…
  • 7
    キャサリン妃を睨む「嫉妬の目」の主はメーガン妃...…
  • 8
    【銘柄】オリエンタルランドが急落...日中対立が株価…
  • 9
    兵士の「戦死」で大儲けする女たち...ロシア社会を揺…
  • 10
    イギリスは「監視」、日本は「記録」...防犯カメラの…
  • 1
    日本人には「当たり前」? 外国人が富士山で目にした「信じられない」光景、海外で大きな話題に
  • 2
    【銘柄】オリエンタルランドが急落...日中対立が株価に与える影響と、サンリオ自社株買いの狙い
  • 3
    日本の「クマ問題」、ドイツの「問題クマ」比較...だから日本では解決が遠い
  • 4
    健康長寿の鍵は「慢性炎症」にある...「免疫の掃除」…
  • 5
    兵士の「戦死」で大儲けする女たち...ロシア社会を揺…
  • 6
    キャサリン妃を睨む「嫉妬の目」の主はメーガン妃...…
  • 7
    ホテルの部屋に残っていた「嫌すぎる行為」の証拠...…
  • 8
    戦争中に青年期を過ごした世代の男性は、終戦時56%…
  • 9
    イスラエル軍幹部が人生を賭けた内部告発...沈黙させ…
  • 10
    【クイズ】アルコール依存症の人の割合が「最も高い…
  • 1
    東京がニューヨークを上回り「世界最大の経済都市」に...日本からは、もう1都市圏がトップ10入り
  • 2
    一瞬にして「巨大な橋が消えた」...中国・「完成直後」の橋が崩落する瞬間を捉えた「衝撃映像」に広がる疑念
  • 3
    高速で回転しながら「地上に落下」...トルコの軍用輸送機「C-130」謎の墜落を捉えた「衝撃映像」が拡散
  • 4
    日本人には「当たり前」? 外国人が富士山で目にした…
  • 5
    「999段の階段」を落下...中国・自動車メーカーがPR…
  • 6
    まるで老人...ロシア初の「AIヒト型ロボット」がお披…
  • 7
    「髪形がおかしい...」実写版『モアナ』予告編に批判…
  • 8
    【銘柄】オリエンタルランドが急落...日中対立が株価…
  • 9
    日本の「クマ問題」、ドイツの「問題クマ」比較...だ…
  • 10
    膝が痛くても足腰が弱くても、一生ぐんぐん歩けるよ…
トランプ2.0記事まとめ
Real
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中