最新記事

副反応

アストラゼネカ製ワクチン接種後の血栓、接種年齢制限で発症を抑制

2021年8月12日(木)08時25分
新型コロナウイルスのワクチン接種

英国で5月にアストラゼネカの新型コロナウイルスワクチン接種年齢を40歳以上に制限して以降、副反応としてまれに起きるとされる血栓症の新たな発症に歯止めがかかった――。英科学者は8月11日、医学専門誌に公表した論文でこう指摘した。2月、同国南部メードストンで撮影(2021年 ロイター/Andrew Couldridge/)

英国で5月にアストラゼネカの新型コロナウイルスワクチン接種年齢を40歳以上に制限して以降、副反応としてまれに起きるとされる血栓症の新たな発症に歯止めがかかった――。英科学者は11日、医学専門誌に公表した論文でこう指摘した。

アストラゼネカとジョンソン・エンド・ジョンソン(J&J)のワクチンを接種した人のごく一部で、ワクチン誘発性免疫性血栓症血小板減少症(VITT)を発症する副反応が認められている。

今回の論文でも、50歳未満の接種者の約5万人に1人が発症すると判明していると説明。この数字は従来の推計値に一致するものだ。研究を主導したオックスフォード大学の血液学者スー・パボード氏は、こうした副反応は通常、若い人に影響を及ぼし、特に脳出血をもたらす場合は危険が大きいとの見方を示した。

ただ同氏は、40歳以上に接種を制限した措置の成果が表れて、接種開始時に急増していた副反応の件数は落ち着いており、過去4週間程度はゼロで推移していると説明した上で「これは多大な安心を与える」と語った。 



[ロイター]


トムソンロイター・ジャパン

Copyright (C) 2021トムソンロイター・ジャパン(株)記事の無断転用を禁じます


【話題の記事】
・新型コロナが重症化してしまう人に不足していた「ビタミン」の正体
・世界の引っ越したい国人気ランキング、日本は2位、1位は...



今、あなたにオススメ
ニュース速報

ビジネス

JPモルガン、機関投資家向け仮想通貨取引サービス検

ビジネス

午前の日経平均は小幅続伸、利益確定が上値抑制 マイ

ビジネス

米国との貿易協定、来年早々にも署名の可能性=インド

ビジネス

為替、ファンダメンタルズ反映しているとは到底思えず
今、あなたにオススメ
MAGAZINE
特集:ISSUES 2026
特集:ISSUES 2026
2025年12月30日/2026年1月 6日号(12/23発売)

トランプの黄昏/中国AI/米なきアジア安全保障/核使用の現実味......世界の論点とキーパーソン

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    【過労ルポ】70代の警備員も「日本の日常」...賃金低く、健康不安もあるのに働く高齢者たち
  • 2
    「食べ方の新方式」老化を防ぐなら、食前にキャベツよりコンビニで買えるコレ
  • 3
    待望の『アバター』3作目は良作?駄作?...人気シリーズが直面した「思いがけない批判」とは?
  • 4
    【外国人材戦略】入国者の3分の2に帰国してもらい、…
  • 5
    「信じられない...」何年間もネグレクトされ、「異様…
  • 6
    週に一度のブリッジで腰痛を回避できる...椎間板を蘇…
  • 7
    「個人的な欲望」から誕生した大人気店の秘密...平野…
  • 8
    日本がゲームチェンジャーの高出力レーザー兵器を艦…
  • 9
    【衛星画像】南西諸島の日米新軍事拠点 中国の進出…
  • 10
    【銘柄】資生堂が巨額赤字に転落...その要因と今後の…
  • 1
    日本がゲームチェンジャーの高出力レーザー兵器を艦載、海上での実戦試験へ
  • 2
    人口減少が止まらない中国で、政府が少子化対策の切り札として「あるもの」に課税
  • 3
    「勇気ある選択」をと、IMFも警告...中国、輸出入ともに拡大する「持続可能な」貿易促進へ
  • 4
    「食べ方の新方式」老化を防ぐなら、食前にキャベツ…
  • 5
    【実話】学校の管理教育を批判し、生徒のため校則を…
  • 6
    「最低だ」「ひど過ぎる」...マクドナルドが公開した…
  • 7
    自国で好き勝手していた「元独裁者」の哀れすぎる末…
  • 8
    【過労ルポ】70代の警備員も「日本の日常」...賃金低…
  • 9
    ミトコンドリア刷新で細胞が若返る可能性...老化関連…
  • 10
    空中でバラバラに...ロシア軍の大型輸送機「An-22」…
  • 1
    日本がゲームチェンジャーの高出力レーザー兵器を艦載、海上での実戦試験へ
  • 2
    人口減少が止まらない中国で、政府が少子化対策の切り札として「あるもの」に課税
  • 3
    日本人には「当たり前」? 外国人が富士山で目にした「信じられない」光景、海外で大きな話題に
  • 4
    【銘柄】オリエンタルランドが急落...日中対立が株価…
  • 5
    日本の「クマ問題」、ドイツの「問題クマ」比較...だ…
  • 6
    「勇気ある選択」をと、IMFも警告...中国、輸出入と…
  • 7
    インド国産戦闘機に一体何が? ドバイ航空ショーで…
  • 8
    【衛星画像】南西諸島の日米新軍事拠点 中国の進出…
  • 9
    健康長寿の鍵は「慢性炎症」にある...「免疫の掃除」…
  • 10
    兵士の「戦死」で大儲けする女たち...ロシア社会を揺…
トランプ2.0記事まとめ
Real
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中