最新記事

クーデター

ミャンマー国軍、拘束した2300人を解放 国民の懐柔狙いとの指摘も

2021年7月1日(木)10時43分
ミャンマーで拘束された家族が解放されるのを施設の外で待つ人びと

ミャンマーで6月30日、拘束中の約2300人が解放された。抗議デモに参加し、扇動罪で訴追されていた記者数名も含まれている。ただ、国軍による弾圧への反発が強まる中、国民を懐柔する思惑があるとの指摘も出ている。写真は、施設の外で解放を待つ家族。ヤンゴンで撮影、提供写真(2021年 ロイター)

ミャンマーで30日、拘束中の約2300人が解放された。抗議デモに参加し、扇動罪で訴追されていた記者数名も含まれている。ただ、国軍による弾圧への反発が強まる中、国民を懐柔する思惑があるとの指摘も出ている。

国軍の報道官は、解放した人の大半はデモに参加して扇動罪で訴追されていた人だと説明した。

オンラインメディアThe Irrawaddyに対して「2296人を釈放した。これらの人は抗議活動に参加したが、活動を主導はしていない。暴力的な行為には関与していない」と述べた。

ソーシャルメディアには、ヤンゴン市内のインセイン刑務所に収容されていた人々がバスから降り、笑顔で手を振り、家族と抱き合う様子を撮影した動画が投稿されている。

オンラインメディアのミャンマー・ナウは、同社の記者Kay Zon Nway氏が4カ月ぶりに解放されたと発表。The Irrawaddyによると、全部で6人のジャーナリストが解放された。

国営放送のMRTVは、夜の番組でこの解放について一切触れなかった。

一方、国軍は29日、国民を扇動したとして指名手配していた著名人24人に対する訴追の取り下げを発表している。

人権団体「政治犯支援協会」は、解放は軍の弾圧が緩和されたとの印象を与えるためのものだと批判。同団体は、全国で依然5200人以上が拘束されており、これまでに883人が殺害されたとしている。

チン州の人権団体の活動家も、解放は全く無意味だとし、国際社会の抗議を沈めるためのものだと批判。国内では毎日のように人々が逮捕されており「不法逮捕が止まらない限り同じ問題が起きる」と述べた。

[ロイター]


トムソンロイター・ジャパン

Copyright (C) 2021トムソンロイター・ジャパン(株)記事の無断転用を禁じます


【話題の記事】
・混迷深まるミャンマー スー・チー裁判は長期化、反軍政の武力抵抗は激しさ増す
・【画像】無防備な村を丸ごと焼き討ち、ミャンマー軍の暴虐
・世界の引っ越したい国人気ランキング、日本は2位、1位は...


今、あなたにオススメ
ニュース速報

ワールド

アングル:カジノ産業に賭けるスリランカ、統合型リゾ

ワールド

米、パレスチナ指導者アッバス議長にビザ発給せず 国

ワールド

トランプ関税の大半違法、米控訴裁が判断 「完全な災

ビジネス

アングル:中国、高齢者市場に活路 「シルバー経済」
今、あなたにオススメ
MAGAZINE
特集:健康長寿の筋トレ入門
特集:健康長寿の筋トレ入門
2025年9月 2日号(8/26発売)

「何歳から始めても遅すぎることはない」――長寿時代の今こそ筋力の大切さを見直す時

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    東北で大腸がんが多いのはなぜか――秋田県で死亡率が下がった「意外な理由」
  • 2
    1日「5分」の習慣が「10年」先のあなたを守る――「動ける体」をつくる、エキセントリック運動【note限定公開記事】
  • 3
    豊かさに溺れ、非生産的で野心のない国へ...「世界がうらやむ国」ノルウェーがハマった落とし穴
  • 4
    50歳を過ぎても運動を続けるためには?...「動ける体…
  • 5
    25年以内に「がん」を上回る死因に...「スーパーバグ…
  • 6
    日本の「プラごみ」で揚げる豆腐が、重大な健康被害…
  • 7
    「人類初のパンデミック」の謎がついに解明...1500年…
  • 8
    信じられない...「洗濯物を干しておいて」夫に頼んだ…
  • 9
    20代で「統合失調症」と診断された女性...「自分は精…
  • 10
    トレーニング継続率は7倍に...運動を「サボりたい」…
  • 1
    信じられない...「洗濯物を干しておいて」夫に頼んだ女性が目にした光景が「酷すぎる」とSNS震撼、大論争に
  • 2
    「まさかの真犯人」にネット爆笑...大家から再三「果物泥棒」と疑われた女性が無実を証明した「証拠映像」が話題に
  • 3
    プール後の20代女性の素肌に「無数の発疹」...ネット民が「塩素かぶれ」じゃないと見抜いたワケ
  • 4
    東北で大腸がんが多いのはなぜか――秋田県で死亡率が…
  • 5
    皮膚の内側に虫がいるの? 投稿された「奇妙な斑点」…
  • 6
    1日「5分」の習慣が「10年」先のあなたを守る――「動…
  • 7
    なぜ筋トレは「自重トレーニング」一択なのか?...筋…
  • 8
    飛行機内で隣の客が「最悪」のマナー違反、「体を密…
  • 9
    25年以内に「がん」を上回る死因に...「スーパーバグ…
  • 10
    豊かさに溺れ、非生産的で野心のない国へ...「世界が…
  • 1
    「週4回が理想です」...老化防止に効くマスターベーション、医師が語る熟年世代のセルフケア
  • 2
    こんな症状が出たら「メンタル赤信号」...心療内科医が伝授、「働くための」心とカラダの守り方とは?
  • 3
    「自律神経を強化し、脂肪燃焼を促進する」子供も大人も大好きな5つの食べ物
  • 4
    デカすぎ...母親の骨盤を砕いて生まれてきた「超巨大…
  • 5
    デンマークの動物園、飼えなくなったペットの寄付を…
  • 6
    「まさかの真犯人」にネット爆笑...大家から再三「果…
  • 7
    信じられない...「洗濯物を干しておいて」夫に頼んだ…
  • 8
    山道で鉢合わせ、超至近距離に3頭...ハイイログマの…
  • 9
    「レプトスピラ症」が大規模流行中...ヒトやペットに…
  • 10
    「あなた誰?」保育園から帰ってきた3歳の娘が「別人…
トランプ2.0記事まとめ
日本再発見 シーズン2
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中