最新記事

人権問題

サウジ、著名な女性人権活動家に禁錮刑 米バイデン新政権との問題化も

2020年12月29日(火)12時33分

サウジアラビアの裁判所は28日、著名な女性人権活動家のロウジャン・ハズルール氏に禁錮5年8月の実刑判決を言い渡した。提供写真(2020年 ロイター)

サウジアラビアの裁判所は28日、著名な女性人権活動家のロウジャン・ハズルール氏(31)に禁錮5年8月の実刑判決を言い渡した。同氏の家族が明らかにした。

ハズルール氏は女性の権利擁護を求める少なくとも十数人の人権活動家とともに逮捕され、2018年から拘束されている。

地元紙によると、国の政治体制の変更を試み、国家安全保障を脅かした罪で起訴されていた。条件付きで刑が停止され、来年3月に釈放される可能性があるという。

国連の人権専門家はこれまで、ハズルール氏の起訴を「誤り」と非難。国連人権高等弁務官事務所も今回の有罪判決について「極めて問題だ」とツイッターに投稿し、直ちに釈放するよう求めた。

バイデン次期米大統領はこれまでサウジの人権対応を批判しており、今回の判決はムハンマド皇太子にとって両国関係を巡る問題になる可能性がある。

米国務省の報道官はハズルール氏の実刑判決に関する「報道について懸念している」とツイッターで表明。「サウジでの女性の権利向上における自由な表現と平和的活動の重要性をわれわれは強調してきた」とし、同氏の2021年の早期釈放に期待感を示した。

バイデン次期米政権の国家安全保障問題担当大統領補佐官となるサリバン氏は、ハズルール氏による「単なる普遍的権利の行使」に実刑判決が下されたのは「不当で憂慮すべき」とツイッターで批判。バイデン次期政権は「どこで起きているかにかかわらず人権侵害に立ち向かう」とし、サウジの人権問題への対応強化を目指す次期政権の意向を改めて示した。

トランプ大統領はムハンマド皇太子と蜜月関係を築き、サウジ人記者ジャマル・カショギ氏の殺害事件に絡む国際的なサウジ批判を和らげる役割を果たしてきたが、バイデン氏は現政権よりも強硬な立場を取る考えを示している。

[ロイター]


トムソンロイター・ジャパン

Copyright (C) 2020トムソンロイター・ジャパン(株)記事の無断転用を禁じます


【話題の記事】
・1月20日、トランプは「自分の大統領就任式」に出る?
・新型コロナが重症化してしまう人に不足していた「ビタミン」の正体


ニューズウィーク日本版 日本時代劇の挑戦
※画像をクリックすると
アマゾンに飛びます

2025年12月9日号(12月2日発売)は「日本時代劇の挑戦」特集。『七人の侍』『座頭市』『SHOGUN』 ……世界が愛した名作とメイド・イン・ジャパンの新時代劇『イクサガミ』/岡田准一 ロングインタビュー

※バックナンバーが読み放題となる定期購読はこちら


今、あなたにオススメ
ニュース速報

ワールド

仏大統領、中国に関税警告 対EU貿易黒字巡り=仏紙

ワールド

仏大統領、ウクライナ情勢協議へ8日にロンドン訪問 

ワールド

香港議会選の投票率低調、過去最低は上回る 棄権扇動

ワールド

米特使、ウクライナ和平合意「非常に近い」 ロは根本
今、あなたにオススメ
MAGAZINE
特集:日本時代劇の挑戦
特集:日本時代劇の挑戦
2025年12月 9日号(12/ 2発売)

『七人の侍』『座頭市』『SHOGUN』......世界が愛した名作とメイド・イン・ジャパンの新時代劇『イクサガミ』の大志

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    【銘柄】オリエンタルランドが急落...日中対立が株価に与える影響と、サンリオ自社株買いの狙い
  • 2
    日本人には「当たり前」? 外国人が富士山で目にした「信じられない」光景、海外で大きな話題に
  • 3
    健康長寿の鍵は「慢性炎症」にある...「免疫の掃除」が追いつかなくなっている状態とは?
  • 4
    キャサリン妃を睨む「嫉妬の目」の主はメーガン妃...…
  • 5
    兵士の「戦死」で大儲けする女たち...ロシア社会を揺…
  • 6
    ホテルの部屋に残っていた「嫌すぎる行為」の証拠...…
  • 7
    『ブレイキング・バッド』のスピンオフ映画『エルカ…
  • 8
    人生の忙しさの9割はムダ...ひろゆきが語る「休む勇…
  • 9
    仕事が捗る「充電の選び方」──Anker Primeの充電器、…
  • 10
    ビジネスの成功だけでなく、他者への支援を...パート…
  • 1
    日本人には「当たり前」? 外国人が富士山で目にした「信じられない」光景、海外で大きな話題に
  • 2
    【銘柄】オリエンタルランドが急落...日中対立が株価に与える影響と、サンリオ自社株買いの狙い
  • 3
    兵士の「戦死」で大儲けする女たち...ロシア社会を揺るがす「ブラックウィドウ」とは?
  • 4
    健康長寿の鍵は「慢性炎症」にある...「免疫の掃除」…
  • 5
    戦争中に青年期を過ごした世代の男性は、終戦時56%…
  • 6
    イスラエル軍幹部が人生を賭けた内部告発...沈黙させ…
  • 7
    【クイズ】アルコール依存症の人の割合が「最も高い…
  • 8
    ホテルの部屋に残っていた「嫌すぎる行為」の証拠...…
  • 9
    人生の忙しさの9割はムダ...ひろゆきが語る「休む勇…
  • 10
    キャサリン妃を睨む「嫉妬の目」の主はメーガン妃...…
  • 1
    東京がニューヨークを上回り「世界最大の経済都市」に...日本からは、もう1都市圏がトップ10入り
  • 2
    一瞬にして「巨大な橋が消えた」...中国・「完成直後」の橋が崩落する瞬間を捉えた「衝撃映像」に広がる疑念
  • 3
    高速で回転しながら「地上に落下」...トルコの軍用輸送機「C-130」謎の墜落を捉えた「衝撃映像」が拡散
  • 4
    日本人には「当たり前」? 外国人が富士山で目にした…
  • 5
    「999段の階段」を落下...中国・自動車メーカーがPR…
  • 6
    まるで老人...ロシア初の「AIヒト型ロボット」がお披…
  • 7
    「髪形がおかしい...」実写版『モアナ』予告編に批判…
  • 8
    【銘柄】オリエンタルランドが急落...日中対立が株価…
  • 9
    膝が痛くても足腰が弱くても、一生ぐんぐん歩けるよ…
  • 10
    インド国産戦闘機に一体何が? ドバイ航空ショーで…
トランプ2.0記事まとめ
Real
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中