最新記事

ワクチン

英アストラゼネカ、利益度外視のコロナワクチン提供で「途上国の救世主」に?

2020年11月30日(月)15時00分
アリストス・ジョージャウ

通常の冷蔵設備で保管できる点は大きな強み PHOTO ILLUSTRATION BY JAKUB PORZYCKI-NURPHOTO/GETTY IMAGES

<有効性では90%以上を誇るライバル社に及ばないワクチンに、世界から期待が高まる理由>

新型コロナウイルスのワクチン開発に各社がしのぎを削るなか、英製薬大手アストラゼネカとオックスフォード大学が共同開発中のワクチンに「途上国の救世主」との期待が高まっている。

開発が先行している米ファイザーと米モデルナ、ロシアの国立ガマレヤ研究所のワクチンはいずれも90%以上の有効性を誇る。一方、アストラゼネカらが11月23日の会見で明らかにしたワクチンの有効性は平均70%とやや低め。また治験データの透明性への疑念も浮上しており、認可が遅れる可能性もある。

それでも、取り扱いが簡単で安価な点は大きな強みだ。超低温での移送・保管が必要なファイザーなどのワクチンに対し、アストラゼネカの製品は通常の冷蔵設備で扱えるため途上国でも利用しやすい。さらに同社は新型コロナのパンデミック(世界的大流行)が続く間は、1回当たり3~4ドルという利益度外視の低価格でワクチンを提供するとしている。

<2020年12月8日号掲載>

ニューズウィーク日本版 高市早苗研究
※画像をクリックすると
アマゾンに飛びます

2025年11月4日/11日号(10月28日発売)は「高市早苗研究」特集。課題だらけの日本の政治・経済・外交を初の女性首相はこう変える

※バックナンバーが読み放題となる定期購読はこちら



今、あなたにオススメ
ニュース速報

ワールド

中国財政省、国家債務管理部門を新設 地方政府の「隠

ビジネス

MS、UAEに150億ドル投資 エヌビディア製半導

ワールド

米航空便の遅延急増、航空管制官の欠勤増加 政府機関

ビジネス

スターバックス、中国事業経営権を博裕資本に売却へ 
今、あなたにオススメ
MAGAZINE
特集:高市早苗研究
特集:高市早苗研究
2025年11月 4日/2025年11月11日号(10/28発売)

課題だらけの日本の政治・経済・外交を初の女性首相はこう変える

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    【クイズ】本州で唯一「クマが生息していない県」はどこ?
  • 2
    米沿岸に頻出する「海中UFO」──物理法則で説明がつかない現象を軍も警戒
  • 3
    9歳女児が行方不明...失踪直前、防犯カメラに映った「意外な姿」に大きな注目、なぜこんな格好を?
  • 4
    「あなたが着ている制服を...」 乗客が客室乗務員に…
  • 5
    「日本のあの観光地」が世界2位...エクスペディア「…
  • 6
    【クイズ】ヒグマの生息数が「世界で最も多い国」は…
  • 7
    虹に「極限まで近づく」とどう見える?...小型機パイ…
  • 8
    【ウクライナ】要衝ポクロウシクの攻防戦が最終局面…
  • 9
    「白人に見えない」と言われ続けた白人女性...外見と…
  • 10
    これをすれば「安定した子供」に育つ?...児童心理学…
  • 1
    【クイズ】本州で唯一「クマが生息していない県」はどこ?
  • 2
    【クイズ】クマ被害が相次ぐが...「熊害」の正しい読み方は?
  • 3
    【クイズ】ヒグマの生息数が「世界で最も多い国」はどこ?
  • 4
    【話題の写真】自宅の天井に突如現れた「奇妙な塊」…
  • 5
    【ウクライナ】要衝ポクロウシクの攻防戦が最終局面…
  • 6
    9歳女児が行方不明...失踪直前、防犯カメラに映った…
  • 7
    【クイズ】1位は「蚊」...世界で「2番目に」人間を殺…
  • 8
    女性の後を毎晩つけてくるストーカー...1週間後、雨…
  • 9
    「日本のあの観光地」が世界2位...エクスペディア「…
  • 10
    だまされやすい詐欺メールTOP3を専門家が解説
  • 1
    【クイズ】本州で唯一「クマが生息していない県」はどこ?
  • 2
    英国で「パブ離れ」が深刻化、閉店ペースが加速...苦肉の策は「日本では当たり前」の方式だった
  • 3
    【クイズ】ヒグマの生息数が「世界で最も多い国」はどこ?
  • 4
    かばんの中身を見れば一発でわかる!「認知症になり…
  • 5
    1000人以上の女性と関係...英アンドルー王子、「称号…
  • 6
    増加する「子どもを外注」する親たち...ネオ・ネグレ…
  • 7
    悲しみで8年間「羽をむしり続けた」オウム...新たな…
  • 8
    【クイズ】クマ被害が相次ぐが...「熊害」の正しい読…
  • 9
    【クイズ】日本でツキノワグマの出没件数が「最も多…
  • 10
    お腹の脂肪を減らす「8つのヒント」とは?...食事以…
トランプ2.0記事まとめ
日本再発見 シーズン2
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中