最新記事

自衛隊

イージス・アショア配備、洋上案を主軸に再検討=岸防衛相

2020年9月24日(木)12時14分

防衛省は24日、配備停止を決めた迎撃ミサイルシステム「イージス・アショア」の代替措置について、艦船など洋上の移動式プラットフォームにレーダーや発射装置を置く案をまとめ、自民党に提示する。写真はルーマニアのデベセル米空軍基地の同システム。2016年5月撮影。提供写真(2018年 ロイター/Inquam Photos/Adel Al-Haddad/via REUTERS)

岸信夫防衛相は24日の自民党会合で、配備停止を決めた迎撃ミサイルシステム「イージス・アショア」の代替措置について、艦船など洋上の移動式プラットフォームにレーダーや発射装置を置く案を主軸に検討すると明言した。

岸防衛相は「現時点で最終的な結論は得られていないが、これまでの議論を総括したところ、イージス・アショアの構成品を移動式洋上プラットフォームに搭載する方向で、米政府や(民間の)事業者を交え、具体的な検討を速やかに進めたい」と述べた。

同部会では防衛省側が与党にイージス代替案と2021年度防衛予算概算要求について説明を行う。防衛省は陸上にレーダーを、洋上にミサイル発射台を置く分離配備案なども検討してきたが、装置間をつなぐ通信がサイバー攻撃に遭う恐れがあるなどとして、洋上に一体的に置く案に絞った。護衛艦や商船など、移動するプラットフォームに配備することを検討すると伝える。


一方で防衛省は自民党に対し、洋上案は定期整備や気象などの影響で、イージス・アショア導入本来の目的だった24時間の監視体制に支障が出るとの問題点も伝える見通し。

政府は今年6月、発射した迎撃ミサイルのブース―ターを安全な場所に落下させられない恐れがあるとして、イージス・アショアを山口、秋田両県に配備する計画を停止した。

(竹本能文)

[ロイター]


トムソンロイター・ジャパン

Copyright (C) 2020トムソンロイター・ジャパン(株)記事の無断転用を禁じます


【話題の記事】
・安倍首相の辞任で分かった、人間に優しくない国ニッポン
・巨大クルーズ船の密室で横行するレイプ
・なぜ日本は「昭和」のままなのか 遅すぎた菅義偉首相の「デジタル化」大号令
・ビルボードHOT100首位獲得したBTS、韓国政府は兵役免除させるのか


20200929issue_cover150.jpg
※画像をクリックすると
アマゾンに飛びます

9月29日号(9月23日発売)は「コロナで世界に貢献した グッドカンパニー50」特集。利益も上げる世界と日本の「良き企業」50社。PLUS 進撃のBTS

今、あなたにオススメ
ニュース速報

ワールド

ウクライナ南部オデーサに無人機攻撃、2人死亡・15

ビジネス

見通し実現なら利上げ、不確実性高く2%実現の確度で

ワールド

米下院、カリフォルニア州の環境規制承認取り消し法案

ワールド

韓国大統領代行が辞任、大統領選出馬の見通し
今、あなたにオススメ
MAGAZINE
特集:英語で学ぶ 国際ニュース超入門
特集:英語で学ぶ 国際ニュース超入門
2025年5月 6日/2025年5月13日号(4/30発売)

「ゼロから分かる」各国・地域情勢の超解説と時事英語

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    日本の未婚男性の「不幸感」は他国と比べて特異的に高く、女性では反対に既婚の方が高い
  • 2
    マリフアナを合法化した末路とは? 「バラ色の未来が来るはずだったのに...」
  • 3
    タイタニック生存者が残した「不気味な手紙」...何が書かれていた?
  • 4
    ポンペイ遺跡で見つかった「浴場」には、テルマエ・…
  • 5
    中国で「ネズミ人間」が増殖中...その驚きの正体とは…
  • 6
    日本旅行が世界を魅了する本当の理由は「円安」では…
  • 7
    インド北部の「虐殺」が全面「核戦争」に発展するか…
  • 8
    クルミで「大腸がんリスク」が大幅に下がる可能性...…
  • 9
    日本史上初めての中国人の大量移住が始まる
  • 10
    悲しみは時間薬だし、幸せは自分次第だから切り替え…
  • 1
    日本史上初めての中国人の大量移住が始まる
  • 2
    日本旅行が世界を魅了する本当の理由は「円安」ではない
  • 3
    MRI検査で体内に「有害金属」が残留する可能性【最新研究】
  • 4
    中国で「ネズミ人間」が増殖中...その驚きの正体とは…
  • 5
    ロシア国内エラブガの軍事工場にウクライナが「ドロ…
  • 6
    パニック発作の原因の多くは「ガス」だった...「ビタ…
  • 7
    使うほど脱炭素に貢献?...日建ハウジングシステムが…
  • 8
    私の「舌」を見た医師は、すぐ「癌」を疑った...「口…
  • 9
    ポンペイ遺跡で見つかった「浴場」には、テルマエ・…
  • 10
    健康寿命は延ばせる...認知症「14のリスク要因」とは…
  • 1
    【話題の写真】高速列車で前席のカップルが「最悪の行為」に及ぶ...インド人男性の撮影した「衝撃写真」にネット震撼【画像】
  • 2
    日本史上初めての中国人の大量移住が始まる
  • 3
    日本旅行が世界を魅了する本当の理由は「円安」ではない
  • 4
    健康寿命を伸ばすカギは「人体最大の器官」にあった.…
  • 5
    【心が疲れたとき】メンタルが一瞬で “最…
  • 6
    間食はなぜ「ナッツ一択」なのか?...がん・心疾患・抜…
  • 7
    北朝鮮兵の親たち、息子の「ロシア送り」を阻止する…
  • 8
    中居正広は何をしたのか? 真相を知るためにできる…
  • 9
    【クイズ】世界で最も「半導体の工場」が多い国どこ…
  • 10
    自らの醜悪さを晒すだけ...ジブリ風AIイラストに「大…
トランプ2.0記事まとめ
日本再発見 シーズン2
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中