最新記事

感染第2波

東京都、6日のコロナ新規感染360人 小池知事「今年は特別な夏、帰省や旅行は控えて」

2020年8月6日(木)21時40分
ニューズウィーク日本版ウェブ編集部

6日、東京都では新たに360人の新型コロナウイルス陽性者が確認され、小池都知事は「今年は特別な夏、帰省や旅行は控えて」と呼びかけた。REUTERS / Issei Kato

東京都は6日、都内で新たに360人の新型コロナウイルス陽性者が確認されたと発表した。

300人を超えるのは2日ぶり。200人を超えるのは10日連続、100人を超えるのはこれで29日連続となる。

この日の陽性者のうち、20代と30代は合わせて229人で約63%、40代と50代は72人で20%を占めており、感染経路が不明な人は224人で全体の62%にのぼっている。またこの日発表された検査の陽性率では、8月3日〜5日の3日間の検査の陽性率が7%となっており、5月上旬以来の高い陽性率になっている点が懸念される。

これで都内で確認された陽性者の合計は14645人。7月8日以降に確認された陽性者が全体の半数を占め、感染拡大がここにきて進んでいることを示している。

東京都では4月17日に206人の感染確認をピークに、徐々に新規陽性者が減り続け、5月23日には新規陽性者が2人まで減少。感染拡大の抑え込みに成功したかに見えたが、その後、新規陽性者が増加。7月に入ってからは連日100人以上の感染拡大が続いている。東京都が各種休業要請を解除した東京アラート解除した6月11日以降の累計が9224人となり、9000人を突破した。

高齢者への感染、4割は家庭内感染

こうしたなか、東京都は6日午後、専門家を交えたモニタリング会議を開催し、現在の感染状況について4段階のうちの最高レベル「感染が拡大していると思われる」、医療の提供体制について4段階のうちの2番目に高い「体制強化が必要であると思われる」という分析結果をとりまとめた。

その後、夕方の臨時記者会見で小池都知事は「モニタリング会議における専門家の総括コメントは先週と同じ、赤とオレンジということで変わっていないが、現状は引き続き「感染拡大特別警報」という非常に厳しい状況であることには変わりはない」と厳しい状況認識を示した。

また「現在、重症化のリスクの高い60代以上の高齢者の感染が拡大しつつあるという数値が出ており、このうち感染経路が特定された中の4割は家庭内感染によるものとなっている」と語り、高齢者自身がマスクの着用・手洗い消毒・換気を徹底することや、高齢者と同居する家族に対しても家庭内で食事の時間をずらすことや会話の際にはマスクを着用することなど、感染予防に十分配慮するよう求めた。

小池都知事「今年は特別な夏、都外への帰省や旅行は控えて」

さらに小池都知事は今週末からのお盆休みについて「お盆そして夏休み期間で旅行や帰省のシーズンで、例年なら家族や親族で一緒に過ごす機会が多いが、この夏は都外への旅行・帰省についてはお控えいただきたい。離れて暮らす家族や親族とは是非この際電話やオンラインなどを通じて話をしていただきたい」と語った。

そして「今年の夏はコロナに打ち勝つそのことが最優先となる夏。1日でも早く安全安心の生活を取り戻してまいりましょう」と都民へ協力を呼びかけた。


東京都・新型コロナウイルス陽性患者数


  

東京都・新型コロナウイルス陽性患者数・累計

  

PCR検査等の結果

 

入院患者数

 

感染者の現在の状況

*チャーター機帰国者、クルーズ船乗客等は含まれていない
*「重症」は、集中治療室(ICU)等での管理又は人工呼吸器管理が必要な患者数を計上
*退院者数の把握には一定の期間を要しており、確認次第数値を更新している
 


【関連記事】
・コロナ感染大国アメリカでマスクなしの密着パーティー、警察も手出しできず
・巨大クルーズ船の密室で横行するレイプ
・新たな「パンデミックウイルス」感染増加 中国研究者がブタから発見
・韓国、コロナショック下でなぜかレギンスが大ヒット 一方で「TPOをわきまえろ」と論争に


2020081118issue_cover150.jpg
※画像をクリックすると
楽天ブックスに飛びます

2020年8月11日/18日号(8月4日発売)は「人生を変えた55冊」特集。「自粛」の夏休みは読書のチャンス。SFから古典、ビジネス書まで、11人が価値観を揺さぶられた5冊を紹介する。加藤シゲアキ/劉慈欣/ROLAND/エディー・ジョーンズ/壇蜜/ウスビ・サコ/中満泉ほか

今、あなたにオススメ
ニュース速報

ビジネス

米P&G、通期コア利益見通し上方修正 堅調な需要や

ワールド

男が焼身自殺か、NY裁判所前 トランプ氏は標的でな

ビジネス

ECB、6月以降の数回利下げ予想は妥当=エストニア

ワールド

IMF委、共同声明出せず 中東・ウクライナ巡り見解
今、あなたにオススメ
MAGAZINE
特集:老人極貧社会 韓国
特集:老人極貧社会 韓国
2024年4月23日号(4/16発売)

地下鉄宅配に古紙回収......繁栄から取り残され、韓国のシニア層は貧困にあえいでいる

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1

    最強生物クマムシが、大量の放射線を浴びても死なない理由が明らかに

  • 2

    止まらぬ金価格の史上最高値の裏側に「中国のドル離れ」外貨準備のうち、金が約4%を占める

  • 3

    中国のロシア専門家が「それでも最後はロシアが負ける」と中国政府の公式見解に反する驚きの論考を英誌に寄稿

  • 4

    休日に全く食事を取らない(取れない)人が過去25年…

  • 5

    「韓国少子化のなぜ?」失業率2.7%、ジニ係数は0.32…

  • 6

    ハーバード大学で150年以上教えられる作文術「オレオ…

  • 7

    日本の護衛艦「かが」空母化は「本来の役割を変える…

  • 8

    中ロ「無限の協力関係」のウラで、中国の密かな侵略…

  • 9

    毎日どこで何してる? 首輪のカメラが記録した猫目…

  • 10

    便利なキャッシュレス社会で、忘れられていること

  • 1

    韓国で「イエス・ジャパン」ブームが起きている

  • 2

    最強生物クマムシが、大量の放射線を浴びても死なない理由が明らかに

  • 3

    攻撃と迎撃の区別もつかない?──イランの数百の無人機やミサイルとイスラエルの「アイアンドーム」が乱れ飛んだ中東の夜間映像

  • 4

    天才・大谷翔平の足を引っ張った、ダメダメ過ぎる「無…

  • 5

    「燃料気化爆弾」搭載ドローンがロシア軍拠点に突入…

  • 6

    アインシュタインはオッペンハイマーを「愚か者」と…

  • 7

    犬に覚せい剤を打って捨てた飼い主に怒りが広がる...…

  • 8

    ハリー・ポッター原作者ローリング、「許すとは限ら…

  • 9

    価値は疑わしくコストは膨大...偉大なるリニア計画っ…

  • 10

    大半がクリミアから撤退か...衛星写真が示す、ロシア…

  • 1

    人から褒められた時、どう返事してますか? ブッダが説いた「どんどん伸びる人の返し文句」

  • 2

    韓国で「イエス・ジャパン」ブームが起きている

  • 3

    88歳の現役医師が健康のために「絶対にしない3つのこと」目からうろこの健康法

  • 4

    ロシアの迫撃砲RBU6000「スメルチ2」、爆発・炎上の…

  • 5

    バルチック艦隊、自国の船をミサイル「誤爆」で撃沈…

  • 6

    最強生物クマムシが、大量の放射線を浴びても死なな…

  • 7

    ロシアが前線に投入した地上戦闘ロボットをウクライ…

  • 8

    「燃料気化爆弾」搭載ドローンがロシア軍拠点に突入…

  • 9

    1500年前の中国の皇帝・武帝の「顔」、DNAから復元に…

  • 10

    浴室で虫を発見、よく見てみると...男性が思わず悲鳴…

日本再発見 シーズン2
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中