最新記事

アメリカ社会

米、南部中心に37州でコロナ感染拡大 マイアミで夜間外出禁止令

2020年7月4日(土)13時37分

米フロリダ州のマイアミデイド郡は3日、夜間外出禁止令を発令したほか、カジノや劇場などの営業再開を延期した。写真は3日、マイアミで撮影(2020年 ロイター/Elizabeth Feria)

米国でサンベルト地帯と呼ばれる南部地域を中心に新型コロナウイルス感染拡大に歯止めがかからない中、フロリダ州のマイアミデイド郡は3日、夜間外出禁止令を発令したほか、カジノや劇場などの営業再開を延期した。

同郡のカルロス・ヒメネス郡長は4日の独立記念日の祝日を前に、午後10時から午前6時までの外出禁止令を無期限で発令し、3日に予定していたカジノや劇場などの営業再開の延期を決定。「お互いの生きる権利、自由、幸福を尊重することで独立記念日を祝おう」と呼び掛けた。

全米50州のうち37州で感染者数が増加しており、フロリダ州でこの日に確認された新規感染者数はこれまでのところ9488人。2日は1万人を超え、これまでで最悪の水準となったほか、欧州の感染拡大最悪期のペースも超えた。

ロイターの分析によると、フロリダ州の新型ウイルス検査の陽性率は16%と、1カ月前の4%から上昇した。世界保健機関(WHO)は陽性率5%を懸念の目安としている。

感染はフロリダ州のほか、アリゾナ州やアラバマ州など他の南部地域でも拡大。この日の新規感染者数はアリゾナ州で4433人、アラバマ州で過去最悪となる1754人となった。アリゾナ州では成人用集中治療室(ICU)の占有率は2日時点で91%となっている。

米国全体では2日に確認された新規感染者数は5万5000人を超え、1日の感染増加ペースとしては世界で最悪となった。米国の感染による死者数は約12万9000人と、全世界の約4分の1に相当する。

こうした中、トランプ大統領は独立記念日を前に3日、中西部サウスダコタ州にあるラシュモア山を訪問。歴代大統領4人の顔が山肌に刻まれた景勝地で花火を鑑賞する。感染拡大が懸念される中、花火大会には大勢の人出が予想されている。

[ロイター]


トムソンロイター・ジャパン

Copyright (C) 2020トムソンロイター・ジャパン(株)記事の無断転用を禁じます


【関連記事】
・東京都、3日の新型コロナ新規感染は124人 小池知事「休業要請は慎重に判断」
・巨大クルーズ船の密室で横行するレイプ
・新型コロナ、血液型によって重症化に差が出るとの研究報告 リスクの高い血液型は?
・韓国、日本製品不買運動はどこへ? ニンテンドー「どうぶつの森」大ヒットが示すご都合主義.


20200707issue_cover150.jpg
※画像をクリックすると
アマゾンに飛びます

2020年7月7日号(6月30日発売)は「Black Lives Matter」特集。今回の黒人差別反対運動はいつもと違う――。黒人社会の慟哭、抗議拡大の理由、警察vs黒人の暗黒史。「人権軽視大国」アメリカがついに変わるのか。特別寄稿ウェスリー・ラウリー(ピュリツァー賞受賞ジャーナリスト)

今、あなたにオススメ
ニュース速報

ワールド

スペイン北部で火災旋風発生、数百人が避難

ワールド

インドネシアのAI国家戦略、「ソブリンAIファンド

ワールド

米韓大統領が25日に会談、安全保障・経済分野を協議

ワールド

豪企業信頼感指数、7月は約3年ぶり高水準 サービス
今、あなたにオススメ
MAGAZINE
特集:Newsweek Exclusive 昭和100年
特集:Newsweek Exclusive 昭和100年
2025年8月12日/2025年8月19日号(8/ 5発売)

現代日本に息づく戦争と復興と繁栄の時代を、ニューズウィークはこう伝えた

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    産油国イラクで、農家が太陽光発電パネルを続々導入する切実な理由
  • 2
    「触ったらどうなるか...」列車をストップさせ、乗客を30分間も足止めした「予想外の犯人」にネット騒然
  • 3
    イラン人は原爆資料館で大泣きする...日本人が忘れた「復讐の技術」とは
  • 4
    イラッとすることを言われたとき、「本当に頭のいい…
  • 5
    デカすぎ...母親の骨盤を砕いて生まれてきた「超巨大…
  • 6
    なぜ「あなたの筋トレ」は伸び悩んでいるのか?...筋…
  • 7
    【徹底解説】エプスタイン事件とは何なのか?...トラ…
  • 8
    「靴を脱いでください」と言われ続けて100億足...ア…
  • 9
    こんな症状が出たら「メンタル赤信号」...心療内科医…
  • 10
    「古い火力発電所をデータセンターに転換」構想がWin…
  • 1
    こんな症状が出たら「メンタル赤信号」...心療内科医が伝授、「働くための」心とカラダの守り方とは?
  • 2
    デカすぎ...母親の骨盤を砕いて生まれてきた「超巨大ベビー」の姿にSNS震撼「ほぼ幼児では?」
  • 3
    デンマークの動物園、飼えなくなったペットの寄付を呼びかけ ライオンのエサに
  • 4
    山道で鉢合わせ、超至近距離に3頭...ハイイログマの…
  • 5
    イラン人は原爆資料館で大泣きする...日本人が忘れた…
  • 6
    【クイズ】次のうち、「軍用機の保有数」で世界トッ…
  • 7
    職場のメンタル不調の9割を占める「適応障害」とは何…
  • 8
    イラッとすることを言われたとき、「本当に頭のいい…
  • 9
    こんなにも違った...「本物のスター・ウォーズ」をデ…
  • 10
    これぞ「天才の発想」...スーツケース片手に長い階段…
  • 1
    「週4回が理想です」...老化防止に効くマスターベーション、医師が語る熟年世代のセルフケア
  • 2
    こんな症状が出たら「メンタル赤信号」...心療内科医が伝授、「働くための」心とカラダの守り方とは?
  • 3
    その首輪に書かれていた「8文字」に、誰もが言葉を失った
  • 4
    デカすぎ...母親の骨盤を砕いて生まれてきた「超巨大…
  • 5
    デンマークの動物園、飼えなくなったペットの寄付を…
  • 6
    ウォーキングだけでは「寝たきり」は防げない──自宅…
  • 7
    頭はどこへ...? 子グマを襲った「あまりの不運」が…
  • 8
    山道で鉢合わせ、超至近距離に3頭...ハイイログマの…
  • 9
    イラン人は原爆資料館で大泣きする...日本人が忘れた…
  • 10
    12歳の娘の「初潮パーティー」を阻止した父親の投稿…
トランプ2.0記事まとめ
日本再発見 シーズン2
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中