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英政府「ロシア、ブレグジット争点の19年英総選挙に介入 機密文書漏えい」

2020年7月17日(金)11時10分

英政府は16日、2019年12月に実施された総選挙にロシアが介入を図った形跡が確認されたと明らかにした。英米自由貿易協定を巡る機密文書を不正に入手し、インターネット上に漏えいさせたとしている。ロンドンで2017年6月撮影(2020年 ロイター/CLODAGH KILCOYNE)

英政府は16日、2019年12月に実施された総選挙にロシアが介入を図った形跡が確認されたと明らかにした。英米自由貿易協定を巡る機密文書を不正に入手し、インターネット上に漏えいさせたとしている。ただ、介入の最終的な目的については明らかにしなかった。

ロシアは16年の米大統領選と17年の仏大統領選に介入した疑いが持たれている。

ラーブ外相によると、政府の調査でロシアが総選挙に繰り返し介入を図ったことが判明。「英米自由貿易協定に関する政府の機密文書が選挙前に不正に入手され、ソーシャルメディアプラットフォームのレディットを通してネット上に拡散された」と述べた。

その上で、こうした文書の漏えいで大きな影響がなかったため、選挙を前に一段の不正が行われた形跡があったと述べた。

昨年12月12日投開票の総選挙では、ジョンソン首相率いる与党・保守党が単独過半数議席を獲得し地滑り的勝利を収め、ジョンソン氏は翌日、保守党政府は英国の欧州連合(EU)離脱(ブレグジット)の完遂を付託されたと勝利宣言を行った。英国は今年1月31日にEUを離脱した。

議会安全委員会は来週、ロシアによる英政治への介入疑惑を巡る報告書を公表する。

英政府の発表について、ロシア外務省のザハロワ報道官は定例記者会見で「矛盾に満ち、不明確で、理解するのは不可能だ」と語った。

[ロイター]


トムソンロイター・ジャパン

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