最新記事

中台関係

「WHO、中国の圧力で年次総会に台湾を招待せず」呉外交部長

2020年5月18日(月)16時58分

台湾の呉ショウ燮外交部長(外相)は、同日から開催される世界保健機関(WHO)の年次総会に招待されていないことを明らかにした。中国からの圧力がかかったためという。写真は昨年11月撮影(2020年 ロイター/FABIAN HAMACHER)

台湾の呉ショウ燮外交部長(外相)は18日、同日から開催される世界保健機関(WHO)の年次総会に招待されていないことを明らかにした。中国からの圧力がかかったためという。

台湾は中国の反対でWHOに加盟できていない。台湾のWHO参加を巡っては、米国を始め多数の国が支持を表明していたが、今回はひとまず棚上げとなった。年内にあらためて協議することで合意したという。

台湾は、早期に新型コロナウイルス封じ込めに成功した経験を各国と共有することを希望していた。

呉外交部長は「あらゆる努力や、前例ない規模の国際的支持にもかかわらず、台湾は総会への招待を受け取っていない。台湾外交部は、中国からの圧力に屈し、2300万人の台湾住民の健康を軽視したWHO事務局の決定を極めて遺憾に思う」と述べた。

これについて、ポンペオ米国務長官は声明でWHOのテドロス事務局長を非難し、「事務局長の独立性欠如は、台湾が持つ名高い感染症の科学的知見を総会から奪い、世界がWHOを最も必要としている時にその信頼と有効性をさらに損なう」と強調した。

トランプ米政権は新型コロナ対応を受けてWHOが「中国寄り」だと批判を強め、WHOへの資金拠出を停止している。

*内容を追加しました。

[ロイター]


トムソンロイター・ジャパン

Copyright (C) 2020トムソンロイター・ジャパン(株)記事の無断転用を禁じます


【関連記事】
・中国は早くから新型コロナウイルスを知っていたのか?2019年9月26日の「湖北日報」を読み解く
・日本の「生ぬるい」新型コロナ対応がうまくいっている不思議
・緊急事態宣言、全国39県で解除 東京など8都道府県も可能なら21日に解除=安倍首相
・ニューヨークと東京では「医療崩壊」の実態が全く違う


20050519issue_cover_150.png
※画像をクリックすると
アマゾンに飛びます

2020年5月19日号(5月12日発売)は「リモートワークの理想と現実」特集。快適性・安全性・効率性を高める方法は? 新型コロナで実現した「理想の働き方」はこのまま一気に普及するのか? 在宅勤務「先進国」アメリカからの最新報告。

今、あなたにオススメ
ニュース速報

ワールド

潜水艦の次世代動力、原子力含め「あらゆる選択肢排除

ビジネス

中国債券市場で外国人の比率低下、保有5カ月連続減 

ワールド

台湾、米国との軍事協力を段階的拡大へ 相互訪問・演

ワールド

ロシアがキーウに夜間爆撃、6人死亡 冬控え全土でエ
今、あなたにオススメ
MAGAZINE
特集:脳寿命を延ばす20の習慣
特集:脳寿命を延ばす20の習慣
2025年10月28日号(10/21発売)

高齢者医療専門家の和田秀樹医師が説く――脳の健康を保ち、認知症を予防する日々の行動と心がけ

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    【クイズ】ヒグマの生息数が「世界で最も多い国」はどこ?
  • 2
    今年、記録的な数の「中国の飲食店」が進出した国
  • 3
    【クイズ】日本でツキノワグマの出没件数が「最も多い県」はどこ?
  • 4
    TWICEがデビュー10周年 新作で再認識する揺るぎない…
  • 5
    米軍、B-1B爆撃機4機を日本に展開──中国・ロシア・北…
  • 6
    【クイズ】12名が死亡...世界で「最も死者数が多い」…
  • 7
    【2025年最新版】世界航空戦力TOP3...アメリカ・ロシ…
  • 8
    【クイズ】1位は「蚊」...世界で「2番目に」人間を殺…
  • 9
    汚物をまき散らすトランプに『トップガン』のミュー…
  • 10
    「認知のゆがみ」とは何なのか...あなたはどのタイプ…
  • 1
    【クイズ】ヒグマの生息数が「世界で最も多い国」はどこ?
  • 2
    1000人以上の女性と関係...英アンドルー王子、「称号返上を表明」も消えない生々しすぎる「罪状」
  • 3
    【クイズ】日本でツキノワグマの出没件数が「最も多い県」はどこ?
  • 4
    今年、記録的な数の「中国の飲食店」が進出した国
  • 5
    まるで『トップガン』...わずか10mの至近戦、東シナ…
  • 6
    フィリピンで相次ぐ大地震...日本ではあまり報道され…
  • 7
    本当は「不健康な朝食」だった...専門家が警告する「…
  • 8
    日本で外国人から生まれた子どもが過去最多に──人口…
  • 9
    「心の知能指数(EQ)」とは何か...「EQが高い人」に…
  • 10
    TWICEがデビュー10周年 新作で再認識する揺るぎない…
  • 1
    かばんの中身を見れば一発でわかる!「認知症になりやすい人」が持ち歩く5つのアイテム
  • 2
    「大谷翔平の唯一の欠点は...」ドジャース・ロバーツ監督が明かすプレーオフ戦略、監督の意外な「日本的な一面」とは?
  • 3
    【クイズ】ヒグマの生息数が「世界で最も多い国」はどこ?
  • 4
    増加する「子どもを外注」する親たち...ネオ・ネグレ…
  • 5
    1000人以上の女性と関係...英アンドルー王子、「称号…
  • 6
    悲しみで8年間「羽をむしり続けた」オウム...新たな…
  • 7
    バフェット指数が異常値──アメリカ株に「数世代で最…
  • 8
    「日本の高齢化率は世界2位」→ダントツの1位は超意外…
  • 9
    お腹の脂肪を減らす「8つのヒント」とは?...食事以…
  • 10
    【クイズ】日本でツキノワグマの出没件数が「最も多…
トランプ2.0記事まとめ
日本再発見 シーズン2
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中