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イラン

新型コロナ危機でもアメリカとイランの非難合戦は続く

2020年3月25日(水)13時15分
トム・オコナー

イラン政府は制裁解除を強く求めているが BRENDAN MCDERMID-REUTERS

<制裁取り下げを条件にアメリカへの医療支援の用意があるとイラン保健省次官が発言。しかし、米政府に譲歩の気配はない>

新型コロナウイルスの感染が世界中に拡大するなか、アメリカとイランの非難合戦が激しさを増している。

イラン国営メディアによれば、保健省のアリレザ・ライシ次官は3月19日、アメリカの医療制度では感染拡大を封じ込められないと指摘し、イランへの経済制裁を取り下げればアメリカの感染コントロールを支援する用意があると発言。トランプ米大統領とポンペオ国務長官に対して「人道的な振る舞いをしたければ制裁を解除すべきだ」と求めたという。

そのイランでは新型コロナウイルスによって1400人以上の死者が出ているが、制裁の影響で必要な医薬品などが著しく不足している。ロシアと中国も、ウイルスとの戦いの最中に制裁を続けるアメリカへの批判を強めている。

だがアメリカが譲歩する気配はない。ポンペオはイラン政府が感染の実態を隠していると批判。イラン産石油化学製品の取引に関与した団体や個人への追加制裁も発表した。

<2020年3月31日号掲載>

【参考記事】米イラン対立、それでも報復が実行される理由
【参考記事】「米イラン危機」にイラン出身の私がコメントする難しさ

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