最新記事

オーバーシュート

NY州、新型コロナウイルス感染1万5000人・死者157人 感染率3日毎に倍増、医療が危機的状況

2020年3月25日(水)15時00分

米国の新型コロナウイルス流行の中心地となっているニューヨーク州では、24日も感染者が急増した。人口が800万人を超えるニューヨーク市では、感染者が累計約1万5000人、死者は157人となった。写真はニューヨークで23日撮影(2020年 ロイター/MIKE SEGAR)

米国の新型コロナウイルス流行の中心地となっているニューヨーク州では、24日も感染者が急増した。人口が800万人を超えるニューヨーク市では、感染者が累計約1万5000人、死者は157人となった。

同市の感染者は米国全体の3分の1近くを占める。24日の新規感染者も全米の半分以上に上った。

トランプ大統領はニューヨーク、ワシントン両州について大規模災害に認定し、カリフォルニア州も近く認定すると言明。感染拡大に対処するため「すべてのリソ-ス」を投入する考えを示した。

トランプ氏は記者会見で「われわれは大きな国家的試練に耐えている」と述べ、国民に対しソーシャル・ディスタンス(対人距離)を保つよう求めた。

これより先、ニューヨーク州のクオモ知事(民主党)は、州内の感染率は3日ごとに倍増しており、感染拡大のピークは2―3週間後に到来する恐れがあると指摘。ピーク時に必要な病院のベッド数は当初想定していた11万床を超え、14万床と考えられるが、現時点で利用可能なベッド数はわずか5万3000床で、医療サービスは重大な危機を迎えていると訴えた。

カリフォルニア州でも警戒感が高まっている。同州では死者が51人、感染が確認された人は2200人に達した。

ニューサム知事は、感染者のほぼ半数は18─49歳だとし、誰もが感染の危険性を深刻に受け止めるべきだと強調した。

知事は、州人口の半数に相当する約2500万人が今後2カ月以内にウイルスに感染する恐れがあると警告している。また、感染拡大を食い止める措置が効果を出しているか見極めるうえで今後6─8週間が重要との見方を示した。

*内容を追加しました。

[ロイター]


トムソンロイター・ジャパン

Copyright (C) 2020トムソンロイター・ジャパン(株)記事の無断転用を禁じます

【関連記事】
・アメリカ、新型コロナウイルス感染3.3万人・死者400人に倍増 全米の半分近くが外出禁止に
・新型コロナウイルスは恐れを知らない若者にも感染し、重症化する
・日本で新型コロナの死亡率が低いのは、なぜなのか?


20200331issue_cover150.jpg
※画像をクリックすると
アマゾンに飛びます

2020年3月31日号(3月24日発売)は「0歳からの教育 みんなで子育て」特集。赤ちゃんの心と体を育てる祖父母の育児参加/日韓中「孫育て」比較/おすすめの絵本とおもちゃ......。「『コロナ経済危機』に備えよ」など新型コロナウイルス関連記事も多数掲載。

今、あなたにオススメ
ニュース速報

ビジネス

金利上昇続くより、日本の成長や債務残高GDP比率低

ワールド

米、中国軍のレーダー照射を批判 「日本への関与揺る

ビジネス

午前の日経平均は反落、FOMC警戒で朝高後に軟化

ビジネス

メタ、「レイバン」メーカー株式少なくとも3%保有 
今、あなたにオススメ
MAGAZINE
特集:ジョン・レノン暗殺の真実
特集:ジョン・レノン暗殺の真実
2025年12月16日号(12/ 9発売)

45年前、「20世紀のアイコン」に銃弾を浴びせた男が日本人ジャーナリストに刑務所で語った動機とは

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    日本の「クマ問題」、ドイツの「問題クマ」比較...だから日本では解決が遠い
  • 2
    【クイズ】アジアで唯一...「世界の観光都市ランキング」でトップ5に入ったのはどこ?
  • 3
    中国の著名エコノミストが警告、過度の景気刺激が「財政危機」招くおそれ
  • 4
    キャサリン妃を睨む「嫉妬の目」の主はメーガン妃...…
  • 5
    「韓国のアマゾン」クーパン、国民の6割相当の大規模情…
  • 6
    【銘柄】オリエンタルランドが急落...日中対立が株価…
  • 7
    兵士の「戦死」で大儲けする女たち...ロシア社会を揺…
  • 8
    「1匹いたら数千匹近くに...」飲もうとしたコップの…
  • 9
    健康長寿の鍵は「慢性炎症」にある...「免疫の掃除」…
  • 10
    イギリスは「監視」、日本は「記録」...防犯カメラの…
  • 1
    日本人には「当たり前」? 外国人が富士山で目にした「信じられない」光景、海外で大きな話題に
  • 2
    【銘柄】オリエンタルランドが急落...日中対立が株価に与える影響と、サンリオ自社株買いの狙い
  • 3
    日本の「クマ問題」、ドイツの「問題クマ」比較...だから日本では解決が遠い
  • 4
    健康長寿の鍵は「慢性炎症」にある...「免疫の掃除」…
  • 5
    兵士の「戦死」で大儲けする女たち...ロシア社会を揺…
  • 6
    キャサリン妃を睨む「嫉妬の目」の主はメーガン妃...…
  • 7
    ホテルの部屋に残っていた「嫌すぎる行為」の証拠...…
  • 8
    戦争中に青年期を過ごした世代の男性は、終戦時56%…
  • 9
    イスラエル軍幹部が人生を賭けた内部告発...沈黙させ…
  • 10
    【クイズ】アルコール依存症の人の割合が「最も高い…
  • 1
    東京がニューヨークを上回り「世界最大の経済都市」に...日本からは、もう1都市圏がトップ10入り
  • 2
    一瞬にして「巨大な橋が消えた」...中国・「完成直後」の橋が崩落する瞬間を捉えた「衝撃映像」に広がる疑念
  • 3
    高速で回転しながら「地上に落下」...トルコの軍用輸送機「C-130」謎の墜落を捉えた「衝撃映像」が拡散
  • 4
    日本人には「当たり前」? 外国人が富士山で目にした…
  • 5
    「999段の階段」を落下...中国・自動車メーカーがPR…
  • 6
    まるで老人...ロシア初の「AIヒト型ロボット」がお披…
  • 7
    「髪形がおかしい...」実写版『モアナ』予告編に批判…
  • 8
    【銘柄】オリエンタルランドが急落...日中対立が株価…
  • 9
    日本の「クマ問題」、ドイツの「問題クマ」比較...だ…
  • 10
    膝が痛くても足腰が弱くても、一生ぐんぐん歩けるよ…
トランプ2.0記事まとめ
Real
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中