最新記事

感染症

インド、感染者500人に迫り全土に外出禁止令 南アジアで新型コロナウイルス懸念高まる

2020年3月25日(水)08時38分

新型コロナウイルスの感染が世界的に拡大する中、南アジアでは24日、インドで全国的な外出禁止令が発令されたほか、パキスタンで小売店の営業停止などの措置が取られた。デリーで撮影(2020年 ロイター/ANUSHREE FADNAVIS)

新型コロナウイルスの感染が世界的に拡大する中、南アジアでは24日、インドで全国的な外出禁止令が発令されたほか、パキスタンで小売店の営業停止などの措置が取られた。アフガニスタンでは駐留している北大西洋条約機構(NATO)部隊で4人の感染が確認された。

インド保健当局は国内の感染者数は5月中旬までに100万人を超える恐れがあると警告。モディ首相は25日から21日間にわたり、すべての国民に対し自宅にとどまるよう要請した。これに先立ち、すべての航空便の運航停止のほか、鉄道の運行停止、企業と学校の閉鎖を宣言していた。

インドの人口は約13億人。感染者数は今のところ482人、感染による死者数は9人にとどまっているが、貧困層への感染拡大のほか、医療体制の不備などが懸念されている。

ネーパルでは全国的に活動が停止されたほか、インドと中国との国境が今週に入り閉鎖された。パキスタンでは学校のほか、ショッピングモール、映画館、結婚式場、水泳プールなどが閉鎖。食料品店と薬局のみが営業を許可されている。

またNATOは声明で、アフガン駐留部隊で4人の感染が確認されたと発表。アフガン入り直後に確認されたとしている。アフガンの保健当局によると、世界保健機関(WHO)は人口3200万人のアフガンで全人口の約80%が向こう5カ月で新型ウイルスに感染する恐れがあると推計している。

米飲料大手コカ・コーラはインドが発表した措置を受け、インドでの製造を停止したと発表した。

南アジアの新型ウイルス感染者数

*Pakistan - 875

*India - 482

*Sri Lanka - 91

*Afghanistan - 42

*Bangladesh - 33

*Maldives - 13

*Nepal - 2

*Bhutan - 2

-----------------------

TOTAL - 1,540

[ロイター]


トムソンロイター・ジャパン

Copyright (C) 2020トムソンロイター・ジャパン(株)記事の無断転用を禁じます

【関連記事】
・アメリカ、新型コロナウイルス感染3.3万人・死者400人に倍増 全米の半分近くが外出禁止に
・新型コロナウイルスは恐れを知らない若者にも感染し、重症化する
・日本で新型コロナの死亡率が低いのは、なぜなのか?


20200331issue_cover150.jpg
※画像をクリックすると
アマゾンに飛びます

2020年3月31日号(3月24日発売)は「0歳からの教育 みんなで子育て」特集。赤ちゃんの心と体を育てる祖父母の育児参加/日韓中「孫育て」比較/おすすめの絵本とおもちゃ......。「『コロナ経済危機』に備えよ」など新型コロナウイルス関連記事も多数掲載。

今、あなたにオススメ
ニュース速報

ビジネス

EU、35年以降もエンジン車販売を容認する制度検討

ビジネス

日経平均は続落、5万円割れ AI関連株の下げが重し

ワールド

SNS情報提出義務化、米国訪問に「委縮効果」も 業

ビジネス

三菱UFJFG社長に半沢氏が昇格、銀行頭取は大沢氏
今、あなたにオススメ
MAGAZINE
特集:教養としてのBL入門
特集:教養としてのBL入門
2025年12月23日号(12/16発売)

実写ドラマのヒットで高まるBL(ボーイズラブ)人気。長きにわたるその歴史と深い背景をひもとく

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    日本がゲームチェンジャーの高出力レーザー兵器を艦載、海上での実戦試験へ
  • 2
    人口減少が止まらない中国で、政府が少子化対策の切り札として「あるもの」に課税
  • 3
    ミトコンドリア刷新で細胞が若返る可能性...老化関連疾患に挑む新アプローチ
  • 4
    【実話】学校の管理教育を批判し、生徒のため校則を…
  • 5
    香港大火災の本当の原因と、世界が目撃した「アジア…
  • 6
    【銘柄】資生堂が巨額赤字に転落...その要因と今後の…
  • 7
    アダルトコンテンツ制作の疑い...英女性がインドネシ…
  • 8
    【衛星画像】南西諸島の日米新軍事拠点 中国の進出…
  • 9
    「なぜ便器に?」62歳の女性が真夜中のトイレで見つ…
  • 10
    現役・東大院生! 中国出身の芸人「いぜん」は、なぜ…
  • 1
    日本がゲームチェンジャーの高出力レーザー兵器を艦載、海上での実戦試験へ
  • 2
    【衛星画像】南西諸島の日米新軍事拠点 中国の進出を睨み建設急ピッチ
  • 3
    デンマーク国防情報局、初めて米国を「安全保障上の脅威」と明記
  • 4
    人口減少が止まらない中国で、政府が少子化対策の切…
  • 5
    日本の「クマ問題」、ドイツの「問題クマ」比較...だ…
  • 6
    【銘柄】資生堂が巨額赤字に転落...その要因と今後の…
  • 7
    【クイズ】「100名の最も偉大な英国人」に唯一選ばれ…
  • 8
    中国軍機の「レーダー照射」は敵対的と、元イタリア…
  • 9
    香港大火災の本当の原因と、世界が目撃した「アジア…
  • 10
    人手不足で広がり始めた、非正規から正規雇用へのキ…
  • 1
    東京がニューヨークを上回り「世界最大の経済都市」に...日本からは、もう1都市圏がトップ10入り
  • 2
    高速で回転しながら「地上に落下」...トルコの軍用輸送機「C-130」謎の墜落を捉えた「衝撃映像」が拡散
  • 3
    日本人には「当たり前」? 外国人が富士山で目にした「信じられない」光景、海外で大きな話題に
  • 4
    「999段の階段」を落下...中国・自動車メーカーがPR…
  • 5
    日本がゲームチェンジャーの高出力レーザー兵器を艦…
  • 6
    【銘柄】オリエンタルランドが急落...日中対立が株価…
  • 7
    「髪形がおかしい...」実写版『モアナ』予告編に批判…
  • 8
    日本の「クマ問題」、ドイツの「問題クマ」比較...だ…
  • 9
    膝が痛くても足腰が弱くても、一生ぐんぐん歩けるよ…
  • 10
    インド国産戦闘機に一体何が? ドバイ航空ショーで…
トランプ2.0記事まとめ
Real
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中