最新記事

事件

東京地検、自民・秋元議員を収賄容疑で逮捕 IR参入めぐり中国企業から370万円

2019年12月25日(水)15時40分

複数のメディアによると、自民党の秋元司衆院議員が25日午前、統合型リゾート施設(IR)事業への参入を巡る収賄容疑で東京地検特捜部に逮捕された。写真は東京地検。2018年11月撮影(2019年 ロイター/Toru Hanai)

東京地検特捜部は25日、統合型リゾート施設(IR)事業への参入を巡る収賄容疑で自民党の秋元司衆院議員を逮捕した。同容疑者は18年10月まで内閣府副大臣としてIRを担当していた。

東京地検によると、秋元議員は、日本でのカジノを含むIRへの参入を目指していた中国企業から現金300万円を受け取ったほか、70万円相当の利益供与を受けていた。東京地検は同時に、秋元議員への贈賄容疑で3人を逮捕した。

秋元議員は2004年に初当選。第1次安倍・福田内閣では防衛大臣政務官に任命され、その後、環境副大臣や内閣府副大臣などを務めてきた。

16年12月には、衆院内閣委員会の委員長として一部の野党が退席する中でIR推進法案の採決を行い、法案の成立につなげた。

17年8月から18年10月までは国土交通省と内閣府の副大臣を務め、IRの政府に関する事務を担当する大臣を補佐した。

菅官房長官、早期のIR整備「着実に進めたい」

菅官房長官は午前の定例会見で、秋元議員逮捕の報道についてはまだ承知していないとし、「今回の件がIRと関係するかどうかも含めて捜査機関の活動内容に関わる事柄であることから、答えは控えたい」と述べた。その上で「いずれにせよ、政府としては、できるだけ早期にIR整備による効果が実現できるよう、着実に進めていきたい」との考えを示した。

さらに菅長官は、IRに関して、事業者と政府関係者の接触に関するルールは特に定められておらず、「一概に禁止されるものではない」と説明。ただ、政務三役については「行政の中立性や国民の信頼に配慮ながら、個別の状況に応じて適切に判断すべき」と語った。

野党、閉会中審査求める

野党はこの問題を国会で厳しく追及する構えで、立憲民主党は閉会中審査を求めていく方針。また、共同通信によると、立憲民主党などの野党3党は、秋元議員の逮捕を受け、カジノ営業を禁じる法案を来年の通常国会に提出する方針で一致した。

*内容を追加しました。

[ロイター]


トムソンロイター・ジャパン

Copyright (C) 2019トムソンロイター・ジャパン(株)記事の無断転用を禁じます



2019123120200107issue_cover150.jpg
※画像をクリックすると
アマゾンに飛びます

2019年12月31日/2020年1月7日号(12月24日発売)は「ISSUES 2020」特集。米大統領選トランプ再選の可能性、「見えない」日本外交の処方箋、中国・インド経済の急成長の終焉など、12の論点から無秩序化する世界を読み解く年末の大合併号です。

今、あなたにオススメ
ニュース速報

ワールド

マクロスコープ:米中接近で揺れる高市外交、「こんな

ビジネス

英中銀のQT、国債利回りを想定以上に押し上げ=経済

ワールド

ウィットコフ米特使、来週モスクワ訪問 ウクライナ和

ビジネス

午後3時のドルは156円前半でほぼ横ばい、日銀早期
今、あなたにオススメ
MAGAZINE
特集:ガザの叫びを聞け
特集:ガザの叫びを聞け
2025年12月 2日号(11/26発売)

「天井なき監獄」を生きるパレスチナ自治区ガザの若者たちが世界に向けて発信した10年の記録

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    膝が痛くても足腰が弱くても、一生ぐんぐん歩けるようになる!筋トレよりもずっと効果的な「たった30秒の体操」〈注目記事〉
  • 2
    【銘柄】イオンの株価が2倍に。かつての優待株はなぜ成長株へ転生できたのか
  • 3
    老後資金は「ためる」より「使う」へ──50代からの後悔しない人生後半のマネープラン
  • 4
    【最先端戦闘機】ミラージュ、F16、グリペン、ラファ…
  • 5
    「髪形がおかしい...」実写版『モアナ』予告編に批判…
  • 6
    「999段の階段」を落下...中国・自動車メーカーがPR…
  • 7
    マムダニの次は「この男」?...イケメンすぎる「ケネ…
  • 8
    放置されていた、恐竜の「ゲロ」の化石...そこに眠っ…
  • 9
    AIの浸透で「ブルーカラー」の賃金が上がり、「ホワ…
  • 10
    7歳の娘の「スマホの検索履歴」で見つかった「衝撃の…
  • 1
    高速で回転しながら「地上に落下」...トルコの軍用輸送機「C-130」謎の墜落を捉えた「衝撃映像」が拡散
  • 2
    「髪形がおかしい...」実写版『モアナ』予告編に批判殺到、そもそも「実写化が早すぎる」との声も
  • 3
    膝が痛くても足腰が弱くても、一生ぐんぐん歩けるようになる!筋トレよりもずっと効果的な「たった30秒の体操」〈注目記事〉
  • 4
    ポルノ依存症になるメカニズムが判明! 絶対やって…
  • 5
    「999段の階段」を落下...中国・自動車メーカーがPR…
  • 6
    マムダニの次は「この男」?...イケメンすぎる「ケネ…
  • 7
    AIの浸透で「ブルーカラー」の賃金が上がり、「ホワ…
  • 8
    「まじかよ...」母親にヘアカットを頼んだ25歳女性、…
  • 9
    海外の空港でトイレに入った女性が見た、驚きの「ナ…
  • 10
    【銘柄】イオンの株価が2倍に。かつての優待株はなぜ…
  • 1
    【クイズ】本州で唯一「クマが生息していない県」はどこ?
  • 2
    東京がニューヨークを上回り「世界最大の経済都市」に...日本からは、もう1都市圏がトップ10入り
  • 3
    一瞬にして「巨大な橋が消えた」...中国・「完成直後」の橋が崩落する瞬間を捉えた「衝撃映像」に広がる疑念
  • 4
    「不気味すぎる...」カップルの写真に映り込んだ「謎…
  • 5
    【写真・動画】世界最大のクモの巣
  • 6
    高速で回転しながら「地上に落下」...トルコの軍用輸…
  • 7
    「999段の階段」を落下...中国・自動車メーカーがPR…
  • 8
    英国で「パブ離れ」が深刻化、閉店ペースが加速...苦…
  • 9
    【クイズ】クマ被害が相次ぐが...「熊害」の正しい読…
  • 10
    まるで老人...ロシア初の「AIヒト型ロボット」がお披…
トランプ2.0記事まとめ
日本再発見 シーズン2
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中