最新記事

英EU離脱

英政府、金融サービスに関しブレグジット後のEU市場完全アクセスを撤回

2018年7月12日(木)10時08分

7月12日、英政府は金融サービス部門に関し、欧州連合(EU)離脱後もEU市場への完全なアクセスを求める従来の計画を撤回し、その代わりに現行規則の緩和を要請する方針だ。英フィナンシャル・タイムズ(FT)紙が報じた。写真は昨年4月撮影(2018年 ロイター/Dado Ruvic)

英政府は金融サービス部門に関し、欧州連合(EU)離脱後もEU市場への完全なアクセスを求める従来の計画を撤回し、その代わりに現行規則の緩和を要請する方針だ。英フィナンシャル・タイムズ(FT)紙が報じた。

報道によると、英政府は金融サービス部門におけるEUとの結び付きを現状よりも弱めることを求める構えという。メイ首相は離脱交渉方針の最新版を12日に公表する見通し。

英ロンドンの金融街「シティー・オブ・ロンドン」に拠点を置く銀行や保険会社の間では既に、EU離脱に伴う移行期間の後もEU市場へのアクセスを完全に維持できるとの期待が後退している。

ロイターは前月、EUが域外金融機関にアクセスを認める「同等性評価」制度について、英国だけを対象に基準を変更することはなく、変更された場合は全ての域外諸国に適用される見通しだと報じた。

同等性評価は、EU域外企業の国内ルールがEU独自のルールと同程度にEU域内投資家を保護しているとEUが判断すれば、EUが域内へのアクセスを認める制度。域外企業にとっては、EU域内に子会社を設立するコストを回避できることを意味する。

FTによると、英国はEU離脱後の金融サービス部門の在り方について、域外諸国のなかで最もEU加盟国との結び付きを強くしたいとの姿勢を示している。

英財務省はFTの報道についてコメントを差し控えたが、ハモンド財務相がこれまで、EUの既存の同等性評価制度は英国のケースでは有効性が認められないとの見解を示してきたと説明した。

[ロンドン 11日 ロイター]


トムソンロイター・ジャパン

Copyright (C) 2018トムソンロイター・ジャパン(株)記事の無断転用を禁じます

ニューズウィーク日本版 高市早苗研究
※画像をクリックすると
アマゾンに飛びます

2025年11月4日/11日号(10月28日発売)は「高市早苗研究」特集。課題だらけの日本の政治・経済・外交を初の女性首相はこう変える

※バックナンバーが読み放題となる定期購読はこちら



今、あなたにオススメ
ニュース速報

ワールド

香港GDP、第3四半期は前年比+3.8% 予想上回

ワールド

北朝鮮の金永南・前最高人民会議常任委員長が死去、9

ワールド

高市首相、来夏に成長戦略策定へ 「危機管理投資」が

ワールド

マクロスコープ:国会本格論戦へ、立憲は消費減税で攻
今、あなたにオススメ
MAGAZINE
特集:高市早苗研究
特集:高市早苗研究
2025年11月 4日/2025年11月11日号(10/28発売)

課題だらけの日本の政治・経済・外交を初の女性首相はこう変える

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    【クイズ】本州で唯一「クマが生息していない県」はどこ?
  • 2
    米沿岸に頻出する「海中UFO」──物理法則で説明がつかない現象を軍も警戒
  • 3
    「あなたが着ている制服を...」 乗客が客室乗務員に「非常識すぎる」要求...CAが取った行動が話題に
  • 4
    9歳女児が行方不明...失踪直前、防犯カメラに映った…
  • 5
    「日本のあの観光地」が世界2位...エクスペディア「…
  • 6
    【クイズ】ヒグマの生息数が「世界で最も多い国」は…
  • 7
    虹に「極限まで近づく」とどう見える?...小型機パイ…
  • 8
    【ウクライナ】要衝ポクロウシクの攻防戦が最終局面…
  • 9
    「白人に見えない」と言われ続けた白人女性...外見と…
  • 10
    これをすれば「安定した子供」に育つ?...児童心理学…
  • 1
    【クイズ】本州で唯一「クマが生息していない県」はどこ?
  • 2
    【クイズ】クマ被害が相次ぐが...「熊害」の正しい読み方は?
  • 3
    【クイズ】ヒグマの生息数が「世界で最も多い国」はどこ?
  • 4
    【話題の写真】自宅の天井に突如現れた「奇妙な塊」…
  • 5
    【ウクライナ】要衝ポクロウシクの攻防戦が最終局面…
  • 6
    9歳女児が行方不明...失踪直前、防犯カメラに映った…
  • 7
    【クイズ】1位は「蚊」...世界で「2番目に」人間を殺…
  • 8
    女性の後を毎晩つけてくるストーカー...1週間後、雨…
  • 9
    「日本のあの観光地」が世界2位...エクスペディア「…
  • 10
    だまされやすい詐欺メールTOP3を専門家が解説
  • 1
    【クイズ】本州で唯一「クマが生息していない県」はどこ?
  • 2
    英国で「パブ離れ」が深刻化、閉店ペースが加速...苦肉の策は「日本では当たり前」の方式だった
  • 3
    【クイズ】ヒグマの生息数が「世界で最も多い国」はどこ?
  • 4
    かばんの中身を見れば一発でわかる!「認知症になり…
  • 5
    1000人以上の女性と関係...英アンドルー王子、「称号…
  • 6
    増加する「子どもを外注」する親たち...ネオ・ネグレ…
  • 7
    悲しみで8年間「羽をむしり続けた」オウム...新たな…
  • 8
    【クイズ】クマ被害が相次ぐが...「熊害」の正しい読…
  • 9
    【クイズ】日本でツキノワグマの出没件数が「最も多…
  • 10
    お腹の脂肪を減らす「8つのヒント」とは?...食事以…
トランプ2.0記事まとめ
日本再発見 シーズン2
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中