最新記事

アメリカ社会

同居息子30歳の立ち退きを求め両親が提訴──変なのはどっち?

2018年5月24日(木)16時30分
アンドリュー・ホワイト

30歳・無職・居候のマイケル・ロトンド。両親の仕打ちは愛のムチかも? ABC News/YOUTUBE

<米ニューヨーク州で、同居する30歳の息子の立ち退きを求め、実の両親が裁判を起こした。無職の息子はどうなってしまうのか>

米ニューヨーク州の裁判所は5月22日、実家に居座る30歳の無職の息子に、直ちに家を出るよう命じる判決を下した。何度も言っても出ていかないため、両親が立ち退き訴訟を起こしていた。

両親の弁護士が「夫妻には息子さんを家に住まわせなければならない義務はまったくない」と主張したのに対し、息子のマイケル・ロトンドは、実家を出るには準備が必要なのであと6カ月の猶予は与えてもらいたいと反論。

同州オノンダガ郡最高裁判所のドナルド・グリーンウッド判事は「けしからん!」とこれを一蹴、直ちに立ち退くよう命じた。さらにこの親子関係には懸念すべきものがあるとして州の保護サービスに調査と両親の保護を命じた。マイケルは控訴する考えだ。

一度も生活費入れず

郡最高裁の5月7日付けの訴状によれば、マーク・ロトンドとクリスティナ夫妻は2月2日~3月30日までに5回、出ていくよう書面で息子に申し入れていた。引越し費用として1100ドルを援助したり、仕事を見つけるための助言を与えたりもしたが、無視されたという。

「あの時はまだ、自立の準備が整っていなかった。準備のための時間が欲しかった」と、マイケルは地元テレビ局WSTMニュースに語った。

マイケルは、タダで実家に住んでいることは認めたが、食事や洗濯の世話もしてもらっておらず、両親に負担はかけていない、と主張。住む場所を見つけて自立するまでにはもっと時間が必要だ、と主張している。

マイケルは8年前から実家に居座っており、その間、家に生活費を入れたり、家事や家の修理を手伝ったことは一度もなかったという。

(翻訳:河原里香)

(International Business Times)

ニューズウィーク日本版 山に挑む
※画像をクリックすると
アマゾンに飛びます

2025年7月29日号(7月23日発売)は「山に挑む」特集。心と身体に健康をもたらすクライミングが世界的に大ブーム [PLUS]世界トレッキング名峰5選

※バックナンバーが読み放題となる定期購読はこちら


今、あなたにオススメ
ニュース速報

ワールド

台湾でリコール投票始まる、野党議員24人の解職に是

ワールド

OPECプラス、有志8カ国の増産方針維持 28日の

ワールド

トランプ大統領、ロシアとの核軍縮合意「失効望ましく

ビジネス

アングル:低迷ヘルスケア株、浮上の鍵は米薬価政策巡
今、あなたにオススメ
MAGAZINE
特集:山に挑む
特集:山に挑む
2025年7月29日号(7/23発売)

野外のロッククライミングから屋内のボルダリングまで、心と身体に健康をもたらすクライミングが世界的に大ブーム

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    幸せホルモン「セロトニン」があなたを変える──4つの習慣で脳が目覚める「セロ活」生活のすすめ
  • 2
    航空機パイロットはなぜ乗員乗客を道連れに「無理心中」してしまうのか
  • 3
    中国が強行する「人類史上最大」ダム建設...生態系や流域住民への影響は?下流国との外交問題必至
  • 4
    「様子がおかしい...」ホテルの窓から見える「不安す…
  • 5
    タイ・カンボジア国境で続く衝突、両国の「軍事力の…
  • 6
    機密だらけ...イラン攻撃で注目、米軍「B-2ステルス…
  • 7
    レタスの葉に「密集した無数の球体」が...「いつもの…
  • 8
    【クイズ】世界で最も「電力消費量」が多い国はどこ?
  • 9
    アメリカで牛肉価格が12%高騰――供給不足に加え、輸入…
  • 10
    羽田空港に日本初上陸! アメックス「センチュリオン…
  • 1
    幸せホルモン「セロトニン」があなたを変える──4つの習慣で脳が目覚める「セロ活」生活のすすめ
  • 2
    ロシアの労働人口減少問題は、「お手上げ状態」と人口学者...経済への影響は「制裁よりも深刻」
  • 3
    「マシンに甘えた筋肉は使えない」...背中の筋肉細胞の遺伝子に火を点ける「プルアップ」とは何か?
  • 4
    「細身パンツ」はもう古い...メンズファッションは…
  • 5
    航空機パイロットはなぜ乗員乗客を道連れに「無理心…
  • 6
    中国企業が米水源地そばの土地を取得...飲料水と国家…
  • 7
    「カロリーを減らせば痩せる」は間違いだった...減量…
  • 8
    父の急死後、「日本最年少」の上場企業社長に...サン…
  • 9
    その首輪に書かれていた「8文字」に、誰もが言葉を失…
  • 10
    約558億円で「過去の自分」を取り戻す...テイラー・…
  • 1
    その首輪に書かれていた「8文字」に、誰もが言葉を失った
  • 2
    頭はどこへ...? 子グマを襲った「あまりの不運」が話題に
  • 3
    燃え盛るロシアの「黒海艦隊」...ウクライナの攻撃で大爆発「沈みゆく姿」を捉えた映像が話題に
  • 4
    ディズニー・クルーズラインで「子供が海に転落」...…
  • 5
    「細身パンツ」はもう古い...メンズファッションは…
  • 6
    イランを奇襲した米B2ステルス機の謎...搭乗した専門…
  • 7
    「ベンチプレス信者は損している」...プッシュアップ…
  • 8
    ロシアの労働人口減少問題は、「お手上げ状態」と人…
  • 9
    日本より危険な中国の不動産バブル崩壊...目先の成長…
  • 10
    幸せホルモン「セロトニン」があなたを変える──4つの…
トランプ2.0記事まとめ
日本再発見 シーズン2
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中