最新記事

アメリカ政治

トランプ政権の報道官、アサドとヒトラー比較発言で強い反発招く

2017年4月12日(水)09時29分

 4月11日、スパイサー米大統領報道官が定例会見で、アドルフ・ヒトラーは化学兵器を使用しなかったと発言したことを受け、ソーシャルメディアやユダヤ人団体、議会関係者などの間で反発の声が強まっている(2017年 ロイター/Joshua Roberts)

スパイサー米大統領報道官が11日の定例会見で、アドルフ・ヒトラーは化学兵器を使用しなかったと発言したことを受け、ソーシャルメディアやユダヤ人団体、議会関係者などの間で反発の声が強まっている。

スパイサー報道官は会見で、87人の死者が出たシリアでの前週の化学兵器攻撃について話した際に「ヒトラーほど卑劣な人物でも化学兵器は使用しなかった」と発言した。

第2次世界大戦中、ナチス・ドイツは600万人のユダヤ人を殺害。ユダヤ人をはじめ多くの人が強制収容所のガス室で殺害された。

記者に説明を求められると、報道官は「サリンガスに関しては、アサド大統領が自国民に対して行ったようなガスの使用は(ヒトラーは)しなかった」と答えた。

スパイサー報道官はその後、両者を比較すべきではなかったとして謝罪。CNNのインタビューで「(発言は)誤りだった。すべきでなかったし、二度としない」と述べた。

報道官の発言を受け、ソーシャルメディア上やユダヤ人関連団体からは強い反発の声が上がった。

また、米民主党のペロシ下院院内総務は「トランプ大統領はスパイサー報道官を解任し、同氏の発言を直ちに否定すべきだ」とする声明を発表した。

ペロシ氏の声明について、ホワイトハウスはコメントを控えた。



[ワシントン 11日 ロイター]


120x28 Reuters.gif

Copyright (C) 2016トムソンロイター・ジャパン(株)記事の無断転用を禁じます

今、あなたにオススメ
ニュース速報

ワールド

米首都で34年ぶり軍事パレード、トランプ氏誕生日 

ワールド

再送-米ロ首脳、イスラエル・イラン情勢で電話会談 

ワールド

イスラエル、イランガス田にも攻撃 応酬続く 米・イ

ワールド

アングル:「暑さは人を殺す」、エネルギー補助削減で
今、あなたにオススメ
MAGAZINE
特集:非婚化する世界
特集:非婚化する世界
2025年6月17日号(6/10発売)

非婚化・少子化の波がアメリカもヨーロッパも襲う。世界の経済や社会福祉、医療はどうなる?

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    ブラッド・ピット新髪型を「かわいい」「史上最高にかっこいい」とネット絶賛 どんなヘアスタイルに?
  • 2
    右肩の痛みが告げた「ステージ4」からの生還...「生きる力」が生んだ「現代医学の奇跡」とは?
  • 3
    「サイドミラー1つ作れない」レアアース危機・第3波でパニック...中国の輸出規制が直撃する「グローバル自動車産業」
  • 4
    林原めぐみのブログが「排外主義」と言われてしまう…
  • 5
    サイコパスの顔ほど「魅力的に見える」?...騙されず…
  • 6
    構想40年「コッポラの暴走」と話題沸騰...映画『メガ…
  • 7
    逃げて!背後に写り込む「捕食者の目」...可愛いウサ…
  • 8
    「結婚は人生の終着点」...欧米にも広がる非婚化の波…
  • 9
    メーガン妃の「下品なダンス」炎上で「王室イメージ…
  • 10
    4年間SNSをやめて気づいた「心を失う人」と「回復で…
  • 1
    庭にクマ出没、固唾を呑んで見守る家主、そして次の瞬間...「信じられない行動」にネット驚愕
  • 2
    大阪万博は特に外国人の評判が最悪...「デジタル化未満」の残念ジャパンの見本市だ
  • 3
    「セレブのショーはもう終わり」...環境活動家グレタらが乗ったガザ支援船をイスラエルが拿捕
  • 4
    「ママ...!」2カ月ぶりの再会に駆け寄る13歳ラブラ…
  • 5
    ふわふわの「白カビ」に覆われたイチゴを食べても、…
  • 6
    「サイドミラー1つ作れない」レアアース危機・第3波で…
  • 7
    脳も体も若返る! 医師が教える「老後を元気に生きる…
  • 8
    ブラッド・ピット新髪型を「かわいい」「史上最高に…
  • 9
    ファスティングをすると、なぜ空腹を感じなくなるの…
  • 10
    アメリカは革命前夜の臨界状態、余剰になった高学歴…
  • 1
    【定年後の仕事】65歳以上の平均年収ランキング、ワースト2位は清掃員、ではワースト1位は?
  • 2
    日本の「プラごみ」で揚げる豆腐が、重大な健康被害と環境汚染を引き起こしている
  • 3
    日本はもう「ゼロパンダ」でいいんじゃない? 和歌山、上野...中国返還のその先
  • 4
    一瞬にして村全体が消えた...スイスのビルヒ氷河崩壊…
  • 5
    庭にクマ出没、固唾を呑んで見守る家主、そして次の…
  • 6
    大爆発で一瞬にして建物が粉々に...ウクライナ軍「Mi…
  • 7
    「ママ...!」2カ月ぶりの再会に駆け寄る13歳ラブラ…
  • 8
    あなたも当てはまる? 顔に表れるサイコパス・ナルシ…
  • 9
    ドローン百機を一度に発射できる中国の世界初「ドロ…
  • 10
    【クイズ】EVの電池にも使われる「コバルト」...世界…
トランプ2.0記事まとめ
日本再発見 シーズン2
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中