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「オバマが盗聴」というトランプのオルタナ・ファクトに振り回されるアメリカ政治

2017年3月6日(月)22時40分
ニコラス・ロフレド

「合衆国大統領がこんな扇動的な告発をするなんて、根拠がないし破壊的ですらある。アメリカの民主主義の信用を失わせる」と、下院情報特別委員会のアダム・シフ(民主党)は言う。「数百万人の不法移民が違法に投票したせいで自分は得票数で負けたとか、オバマ前大統領はアメリカ生まれではないなど、これまでもウソを重ねてきた大統領のことだ。今回の批判もまた目くらましで、歪曲で、露骨なでっち上げという憂慮すべきパターンだろう」

レオン・パネッタ元CIA(米中央情報局)長官は、トランプの動機は明らかだと言う。「歴代の大統領が犯してきたのと同じ過ちを犯している。醜聞に見舞われると、注目をよそに逸らそうとする。うやむやにして、なかったことにしようとする。そのために何とかして他の問題を作り出す。だが最後に勝るのは真実であってツイートではない」

身内の共和党のベン・サッセ上院議員も、超党派の団結を呼びかける。「われわれは、ひとつの文明を台無しにするほどの信用の危機のただ中にいる。大統領の今回の主張は、本物の愛国者が慎重かつ冷静に検討する必要がある。市民の信頼と健全な社会を取り戻すためには、党派的な反応を超えて、真実を追求しなければならない。

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