最新記事

キャリアアップ特集

最新ビジネス英会話に求められる、ロジカルスピーキングと「おもてなし」

2017年3月14日(火)18時40分
ニューズウィーク日本版ウェブ編集部

ビジネスシーンで求められるのは相手を説得できるロジカルスピーキング vm-iStock.

<日常業務の英語力が重視されるようになった現在、ビジネスシーンで求められる英会話のニーズにも変化が起きている>

一昔前まで、日本のビジネスパーソンにとって、英語力は読み書きができれば十分とされていた。しかし、日本企業で英語の社内公用語化が進むことなどから、日々の仕事で求められる英会話力は確実に変わりつつある。英会話スクールの最新事情を取材した。

相手を説得できる英会話力

2010年、楽天とファーストリテイリングが社内公用語を英語へ移行することを発表し、両社ともに当初の予定通り2012年から実施された。2015年には、本田技研工業が2020年を目標とする英語の社内公用語化を発表した。背景にあるのは、ビジネスシーンのグローバル化。こうした流れは企業の新卒採用時の選考試験にも影響し、TOEICの点数を重視する傾向に拍車がかかった。

英語学習に関するソリューションを提供しているアルクで、企業向けの英語研修を担当する企画営業部の吉田圭・営業統括部長は、現在の英語学習を取り巻く状況についてこう話す。「今、ビジネスパーソンに求められる英語力には2種類あり、一つは人事の職務能力要件におけるTOEICの点数。例えば、管理職者なら700点以上必要といったもの。もうひとつは、スピーキング能力に代表されるアウトプットの力だ」。

特に注目されているのが後者のスピーキング能力。一昔前までなら、メールやファックスなどで対応できたが、今はテレカン(電話会議)やスカイプなどでコミュニケーションできる英会話力が問われている。また、特定の業界だけではなく、サービス業をはじめとしたさまざまな業種で英語を話す力が求められているのも特徴と言えるだろう。

【参考記事】ネイティブの英語はなぜ世界でいちばん通じないのか

英語が特別なスキルではなくなりつつある今、スピーキング能力にもより高度な内容が重視されている。英語を論理的に話すことで説得力を増したり、プレゼンテーション能力を高めたりするロジカルスピーキングがそのひとつだ。企業の要望に応じてカスタマイズした研修を用意しているアルクでは、「日常会話に問題はないが、より説得力を身につけたい、もっと効率的に話せるようになりたいといった要望が多い。この2~3年でこうした語学のテクニックを提供する研修が増えた」と、吉田氏は話している。

日本人がロジカルスピーキングを不得意とするのには理由がある。日本の社会は、あいまいな表現を好んだり、場の空気を読んだりすることで意思の疎通が成り立つハイコンテクスト(高文脈)文化だからだ。聞き手の理解力を期待するあまり、アウトプットする情報量が圧倒的に少ない。

これに対して欧米の国々は、シンプルな理論に基づき、直接的で分かりやすい表現を好むローコンテクスト(低文脈)文化。言葉の背景や脈絡ではなく、言語そのものに依存するため、会話での情報量も多い。より細かく論理的に会話を構築していかないと、言いたいことを相手に伝えることができない。こうした異文化を理解した上でのスピーキング能力が、ビジネス英会話では不可欠になっている。

今、あなたにオススメ
ニュース速報

ワールド

イスラエル首相、イランで死亡説拡散 動画公開し否定

ワールド

IEA、石油備蓄4億バレル超放出 アジアは間もなく

ワールド

対ロシア圧力、制裁通じて維持を 英が米による緩和批

ワールド

オランダのユダヤ系学校で爆発、「意図的な攻撃」と市
今、あなたにオススメ
MAGAZINE
特集:教養としてのミュージカル入門
特集:教養としてのミュージカル入門
2026年3月17日号(3/10発売)

社会と時代を鮮烈に描き出すミュージカル。意外にポリティカルなエンタメの「魔力」を学ぶ

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    温暖化で増えた? サンマやサケ減少の裏で激増する「安価で栄養価の高い魚」の正体
  • 2
    ズボンを穿き忘れてる! 米セレブ、下を穿かず「目のやり場に困る」衣装...「これはオシャレなの?」
  • 3
    「筋肉はモッツァレラと同じ」...なぜウォーミングアップは「2セット」でいいのか?
  • 4
    米軍も防ぎきれないイランのドローン攻撃──イラン製…
  • 5
    機内で「人生最悪」の経験をした女性客...後ろの客の…
  • 6
    幼い子供たちの「おぞましい変化」を克明に記録...「…
  • 7
    ぜんぜん身体を隠せてない! 米セレブ、「細いロープ…
  • 8
    世界の視線は中東から日本へ...企業主導で築くインド…
  • 9
    有人機の「盾」となる使い捨て無人機...空の戦いに革…
  • 10
    50代から急増!? 「老け込む人」に共通する体の異変【…
  • 1
    ロシア政府、痛恨のミス...プーチンの「健康不安説」を裏付けるような動画を公式に投稿してしまう
  • 2
    温暖化で増えた? サンマやサケ減少の裏で激増する「安価で栄養価の高い魚」の正体
  • 3
    メーガン妃、娘リリベット王女との新ショット公開...撮影はパパ
  • 4
    「日本より、自分の国(フランス)を心配すれば?」…
  • 5
    米軍も防ぎきれないイランのドローン攻撃──イラン製…
  • 6
    「このままよりはマシだ」――なぜイランで米軍の攻撃…
  • 7
    職業別の収入に大変動......タクシー運転手・自動車…
  • 8
    キャサリン皇太子妃、英連邦デー式典に出席...公開さ…
  • 9
    ズボンを穿き忘れてる! 米セレブ、下を穿かず「目の…
  • 10
    世界の視線は中東から日本へ...企業主導で築くインド…
  • 1
    ロシア政府、痛恨のミス...プーチンの「健康不安説」を裏付けるような動画を公式に投稿してしまう
  • 2
    温暖化で増えた? サンマやサケ減少の裏で激増する「安価で栄養価の高い魚」の正体
  • 3
    メーガン妃、娘リリベット王女との新ショット公開...撮影はパパ
  • 4
    見事なカンフーを見せた中国ヒト型ロボットのからく…
  • 5
    アルコールは血糖値を下げる...「脳と血管を守る」医…
  • 6
    「ヘル・コリア」から日本へ7万人 ── 大企業の高給より…
  • 7
    「日本より、自分の国(フランス)を心配すれば?」…
  • 8
    日本の若者「韓国就職」憧れと現実のギャップ ── ビ…
  • 9
    命は長し、働け女たち――88歳「働くばあさん」が説く…
  • 10
    「水道水」が筋トレの成果を左右する...私たちの体に…
トランプ2.0記事まとめ
Real
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中