最新記事

日本経済

消費低迷の裏に団塊高齢化、ミレニアル世代の消費構造も大幅変化

2016年9月30日(金)13時30分

 日本総研調査部の下田裕介・副主任研究員は「日本のミレニアル世代は、失われた20年を経験していることが他国とは異なる点」と指摘する。1998年以降に23歳を迎えた世代は賃金の上昇を知らない世代、所得が将来的に増加するとの見通しには懐疑的だという。

 また、インフレを経験しておらず、低価格志向も強い。ユニクロなど技術革新によって低価格を実現しているものも増え「無理した節約ではなく、背伸びしない消費が心地よい」(下田氏)と、自然に受け入れている。

 この世代のもう1つの大きな特徴は、物心がついた時から「スマホ(スマートフォン)」があること。買い物は、リアル店舗もネットも同じように使いこなす。音楽配信や「You Tube」など「持たない消費」が当たり前になっており、自動車や住居にもシェアは広がっている。

 インターネットで洋服やバッグなどのブランド中古品を買い取り、販売しているデファクトスタンダード <3545.T>。最近、CMで良く目にする「ブランディア」を運営している。尾嶋崇遠社長は、個人間の中古品売買について「平均販売価格が1000円から1万円のセカンドブランドは、まだ、60%が廃棄されている。中古品売買の市場はまだ伸びる」とみている。

 楽天 <4755.T>もフリマ(フリーマーケット)アプリ「フリル」を提供しているFablic株を取得し、完全子会社化した。「フリル」は、2012年7月に日本初のフリマアプリとしてサービスを開始して以来ユーザー数を拡大し、現在アプリのダウンロード数は累計500万を超えているという。こうした中古品の個人間取引の拡大は、従来型の消費の抑制に働く。

 30日に発表された総務省の8月家計調査によると、全世帯(単身世帯を除く2人以上の世帯)の実質消費支出は前年比4.6%減で6カ月連続の減少となった。訪日外国人によるインバウンド消費が主役の舞台から降りた後、国内小売り各社は国内消費で需要喚起を図りたいところだが、足元では、主役が見付からない状況に陥っている。

(清水律子 編集:田巻一彦)

[東京 30日 ロイター]


120x28 Reuters.gif

Copyright (C) 2016トムソンロイター・ジャパン(株)記事の無断転用を禁じます

今、あなたにオススメ

関連ワード

ニュース速報

ワールド

イラン最高指導者ハメネイ師死亡と報道、トランプ氏「

ワールド

アングル:イラン攻撃に踏み切ったトランプ氏、外交政

ワールド

イラン情勢、木原官房長官「石油需給に直ちに影響との

ワールド

茂木外相、「核兵器開発は決して許されない」 米攻撃
今、あなたにオススメ
MAGAZINE
特集:日本人が知らない AI金融の最前線
特集:日本人が知らない AI金融の最前線
2026年3月 3日号(2/25発売)

フィンテックの進化と普及で、金融はもっと高速に、もっとカジュアルに

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    中国、4隻目の空母は原子力艦か──世界3番目の原子力空母保有国へ
  • 2
    「若い連中は私を知らない」...大ヒット映画音楽の作曲家が「惨めでもいいじゃないか」と語る理由
  • 3
    「努力が未来を重くするなら、壊せばいい」──YOSHIKIが語った創作と人生の覚悟
  • 4
    【クイズ】世界で最も「一人旅が危険な国」ランキン…
  • 5
    ウクライナが国産ミサイル「フラミンゴ」でロシア軍…
  • 6
    がん治療の限界を突破する「細菌兵器」は、がんを「…
  • 7
    【クイズ】サメによる襲撃事件が最も多い国はどこ?
  • 8
    トランプがイランを攻撃する日
  • 9
    見事なカンフーを見せた中国ヒト型ロボットのからく…
  • 10
    今度は「グリンダが主人公」...『ウィキッド』後編の…
  • 1
    アルコールは血糖値を下げる...「脳と血管を守る」医師がすすめる意外な健康習慣
  • 2
    村瀬心椛は「トップでなければおかしい」...スノボの謎判定に「怒りの鉄拳」、木俣椋真の1980には「ぼやき」も
  • 3
    「水道水」が筋トレの成果を左右する...私たちの体には濾過・吸収する力が備わっている
  • 4
    見事なカンフーを見せた中国ヒト型ロボットのからく…
  • 5
    中国、4隻目の空母は原子力艦か──世界3番目の原子力…
  • 6
    少女買春に加え、国家機密の横流しまで...アンドルー…
  • 7
    カビが植物に感染するメカニズムに新発見、硬い表面…
  • 8
    米国の中国依存が低下、台湾からの輸入が上回る
  • 9
    中国で今まで発見されたことがないような恐竜の化石…
  • 10
    住宅の4~5割が空き家になる地域も......今後30年で…
  • 1
    ウクライナ戦闘機「F-16」がロシア軍「シャヘド」を空中爆破...地上から撮影の「レア映像」を公開
  • 2
    高市積極財政にアメリカが慌てる理由
  • 3
    台湾侵攻「失敗」の大きすぎる代償
  • 4
    「最恐」恐竜T・レックスの定説を覆す新研究が
  • 5
    イースター島の先住民から資源を略奪、島を「生きた…
  • 6
    アルコールは血糖値を下げる...「脳と血管を守る」医…
  • 7
    「ヘル・コリア」から日本へ7万人 ── 大企業の高給より…
  • 8
    中国、パナマ運河の港湾喪失でパナマに報復──トラン…
  • 9
    命は長し、働け女たち――88歳「働くばあさん」が説く…
  • 10
    「罠に嵌められた」と主張するが...欧州で次々と摘発…
トランプ2.0記事まとめ
Real
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中