最新記事
健康

睡眠時無呼吸症候群、こんな方法で改善でき、CPAP不要になるかも【最新研究】

Blowing Conch Shell Linked to Improvement in Dangerous Sleep Condition

2025年8月22日(金)11時30分
ハンナ・ミリントン
ほら貝を吹く女性

ほら貝を吹くことは古代より伝わるインドの伝統 ELAKSHI CREATIVE BUSINESS-shutterstock

<なんと、ほら貝を吹くだけ。インドで行われた研究が、中程度のいびき症状を持つ人々の症状を軽減する可能性があることが分かった>

ほら貝を吹くという古代からの習慣が、ある睡眠障害の危険な症状を軽減する可能性があることが分かった。

その睡眠障害は、閉塞性睡眠時無呼吸症候群(OSA:Obstructive Sleep Apnea)。このOSAに対する、薬や治療機器に代わる手段となり得る。

中程度のいびき症状を持つ人がこの方法――「シャンカ吹き」とも呼ばれる――を実践すると、日中に目がさえるようになり、夜間の呼吸停止が少なくなることが、小規模ながら有望な臨床試験によって明らかになった。

「シャンカ吹きはインド文化の伝統で、宗教的儀式やヨガでよく行われる。吉兆を象徴し、環境を浄化すると信じられている」と、論文著者で、インドのエターナル・ハート・ケアセンター兼研究所のクリシュナ・K・シャルマ医師は本誌に語った。

この習慣は紀元前1000年頃に遡るとされる。使われるのは、大型で螺旋状のほら貝だ。

「ヨガの文献でも、肺や喉を強化する呼吸法として記載されている」とシャルマは言う。

睡眠時無呼吸症候群の一種であるOSAは、一般的な睡眠障害で、アメリカでは約3000万人が罹患している。気道がふさがれ、夜間に呼吸が繰り返し停止するのが特徴だ。

この疾患は大きないびき、断続的な睡眠、日中の眠気を引き起こし、高血圧や心疾患、脳卒中のリスクも高める。

「ほら貝を吹く」とは驚くべき対処法に思えるが、OSAを抱える人々にとって、シンプルで快適、低コストな方法となる可能性がある。

東京アメリカンクラブ
一夜限りのきらめく晩餐会──東京アメリカンクラブで過ごす、贅沢と支援の夜
あわせて読みたい
ニュース速報

ワールド

米移民収容施設「ワニのアルカトラズ」、地裁が増設を

ビジネス

エヌビディアCEO、TSMC訪問 中国向け新型半導

ワールド

再送トランプ政権、米投資拡大する企業の株式取得は考

ワールド

トランプ氏、DOGE後継組織設立か エアビー共同創
あわせて読みたい
MAGAZINE
特集:台湾有事 そのとき世界は、日本は
特集:台湾有事 そのとき世界は、日本は
2025年8月26日号(8/19発売)

中国の圧力とアメリカの「変心」に危機感。東アジア最大のリスクを考える

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    中国で「妊娠ロボット」発売か――妊娠期間も含め「自然に近い」と開発企業
  • 2
    「まさかの真犯人」にネット爆笑...大家から再三「果物泥棒」と疑われた女性が無実を証明した「証拠映像」が話題に
  • 3
    20代で「統合失調症」と診断された女性...「自分は精神病」だと気づいた「驚きのきっかけ」とは?
  • 4
    「あなた誰?」保育園から帰ってきた3歳の娘が「別人…
  • 5
    「このクマ、絶対爆笑してる」水槽の前に立つ女の子…
  • 6
    3本足の「親友」を優しく見守る姿が泣ける!ラブラ…
  • 7
    「死ぬほど怖い」「気づかず飛び込んでたら...」家の…
  • 8
    夏の終わりに襲い掛かる「8月病」...心理学のプロが…
  • 9
    米軍が長崎への原爆投下を急いだ理由と、幻の「飢餓…
  • 10
    海上ヴィラで撮影中、スマホが夜の海に落下...女性が…
  • 1
    「レプトスピラ症」が大規模流行中...ヒトやペットに感染、最悪の場合死亡も
  • 2
    「自律神経を強化し、脂肪燃焼を促進する」子供も大人も大好きな5つの食べ物
  • 3
    「あなた誰?」保育園から帰ってきた3歳の娘が「別人」だった...母親によるビフォーアフター画像にSNS驚愕
  • 4
    将来ADHDを発症する「幼少期の兆候」が明らかに?...…
  • 5
    「死ぬほど怖い」「気づかず飛び込んでたら...」家の…
  • 6
    頭部から「黒い触手のような角」が生えたウサギ、コ…
  • 7
    中国で「妊娠ロボット」発売か――妊娠期間も含め「自…
  • 8
    【クイズ】次のうち、「海軍の規模」で世界トップ5に…
  • 9
    「まさかの真犯人」にネット爆笑...大家から再三「果…
  • 10
    20代で「統合失調症」と診断された女性...「自分は精…
  • 1
    「週4回が理想です」...老化防止に効くマスターベーション、医師が語る熟年世代のセルフケア
  • 2
    こんな症状が出たら「メンタル赤信号」...心療内科医が伝授、「働くための」心とカラダの守り方とは?
  • 3
    「自律神経を強化し、脂肪燃焼を促進する」子供も大人も大好きな5つの食べ物
  • 4
    デカすぎ...母親の骨盤を砕いて生まれてきた「超巨大…
  • 5
    デンマークの動物園、飼えなくなったペットの寄付を…
  • 6
    ウォーキングだけでは「寝たきり」は防げない──自宅…
  • 7
    山道で鉢合わせ、超至近距離に3頭...ハイイログマの…
  • 8
    「レプトスピラ症」が大規模流行中...ヒトやペットに…
  • 9
    将来ADHDを発症する「幼少期の兆候」が明らかに?...…
  • 10
    「あなた誰?」保育園から帰ってきた3歳の娘が「別人…
トランプ2.0記事まとめ
日本再発見 シーズン2
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中