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アメリカの「ワクチン接種率」はなぜ下がったのか?...予測モデルが示す「20年後のシナリオ」

Back With a Vengeance

2025年5月29日(木)14時20分
イアン・ランドル(科学担当)

ところが、「MMR(はしか、おたふくかぜ、風疹の三種混合ワクチン)は、とりわけ評判が悪くなってしまっている」と、ローは言う。

「その一因は、いかがわしい医学研究が原因で、安全性への疑念が持ち上がったことにあるが、このワクチンと自閉症の間に関連はないと結論付けられている」


アメリカは、はしかに関して岐路に立っていると言えるだろう。「ワクチン接種率を5%でも引き上げることができれば、はしかが再びエンデミックになるのを防げる」と、ローは述べている。

「ごくわずかなパーセンテージの違いが結果を大きく左右する。ごく小さな割合の人たちの行動が決定的な違いを生み出せるというのは、勇気づけられることだ」


【参考文献】
Kiang, M. V., Bubar, K. M., Maldonado, Y., Hotez, P. J., & Lo, N. C. (2025). Modeling reemergence of vaccine-eliminated infectious diseases under declining vaccination in the US. JAMA.

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