最新記事
スポーツ

「女子スポーツ」とは何か?...トランスジェンダー選手との競争は本当に「フェア」なのか

Biological Reality in Sports

2023年8月14日(月)13時20分
チェルシー・ミッチェル(大学4年生)

スポーツで重要なもの

生物学的現実や常識から言っても、科学的に見ても、テストステロンの分泌を抑制しようと男性は女性より体力的に有利だ。女性はどれほど努力しても、男性とのスポーツ対決には勝てない。

CIACの方針は女子選手に対する不当な差別だ。そう考えた私とチームメイト3人は20年、提訴に踏み切った。

現在は米連邦控訴裁判所で審理中で、女子種目の出場資格を生物学的女性に制限して競争条件を平等化すべきか、判断が下されることになる。

 
 
 
 

私たちの提訴以来、全米の女性や少女がこの分野で受ける被害は飛躍的に拡大しているようだ。その規模は、数多くの競技のあらゆるレベルの大会に及んでいる。

影響力のある個人や協会、教育委員会、米政府さえもが、スポーツで重要なのは生物学的性別ではなく、個人的アイデンティティーだと見なしているせいだ。

あの5月の午後、州大会の競技場で私の名前を連呼する友人たちの声に、どれほど励まされたか。私を勇気づけるための声援だったが、同時に、それは私一人のためではなかった。

生物学的男性と競わされたせいでレースに負けたり、レギュラーから外された全ての少女に向けた応援だ。

こんな状況はフェアでも公正でもない。女子選手に平等な勝利のチャンスがある世界を望むなら、女子スポーツに「条件の平等」を取り戻さなければならない。

あわせて読みたい
ニュース速報

ワールド

英住宅ローン融資、3月は4年ぶり大幅増 優遇税制の

ビジネス

LSEG、第1四半期収益は予想上回る 市場部門が好

ワールド

鉱物資源協定、ウクライナは米支援に国富削るとメドベ

ワールド

米、中国に関税交渉を打診 国営メディア報道
あわせて読みたい
MAGAZINE
特集:英語で学ぶ 国際ニュース超入門
特集:英語で学ぶ 国際ニュース超入門
2025年5月 6日/2025年5月13日号(4/30発売)

「ゼロから分かる」各国・地域情勢の超解説と時事英語

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    日本の未婚男性の「不幸感」は他国と比べて特異的に高く、女性では反対に既婚の方が高い
  • 2
    マリフアナを合法化した末路とは? 「バラ色の未来が来るはずだったのに...」
  • 3
    タイタニック生存者が残した「不気味な手紙」...何が書かれていた?
  • 4
    ポンペイ遺跡で見つかった「浴場」には、テルマエ・…
  • 5
    中国で「ネズミ人間」が増殖中...その驚きの正体とは…
  • 6
    日本旅行が世界を魅了する本当の理由は「円安」では…
  • 7
    インド北部の「虐殺」が全面「核戦争」に発展するか…
  • 8
    クルミで「大腸がんリスク」が大幅に下がる可能性...…
  • 9
    日本史上初めての中国人の大量移住が始まる
  • 10
    悲しみは時間薬だし、幸せは自分次第だから切り替え…
  • 1
    日本史上初めての中国人の大量移住が始まる
  • 2
    日本旅行が世界を魅了する本当の理由は「円安」ではない
  • 3
    MRI検査で体内に「有害金属」が残留する可能性【最新研究】
  • 4
    中国で「ネズミ人間」が増殖中...その驚きの正体とは…
  • 5
    ロシア国内エラブガの軍事工場にウクライナが「ドロ…
  • 6
    パニック発作の原因の多くは「ガス」だった...「ビタ…
  • 7
    使うほど脱炭素に貢献?...日建ハウジングシステムが…
  • 8
    日本の未婚男性の「不幸感」は他国と比べて特異的に…
  • 9
    私の「舌」を見た医師は、すぐ「癌」を疑った...「口…
  • 10
    マリフアナを合法化した末路とは? 「バラ色の未来…
  • 1
    【話題の写真】高速列車で前席のカップルが「最悪の行為」に及ぶ...インド人男性の撮影した「衝撃写真」にネット震撼【画像】
  • 2
    日本史上初めての中国人の大量移住が始まる
  • 3
    日本旅行が世界を魅了する本当の理由は「円安」ではない
  • 4
    健康寿命を伸ばすカギは「人体最大の器官」にあった.…
  • 5
    【心が疲れたとき】メンタルが一瞬で “最…
  • 6
    間食はなぜ「ナッツ一択」なのか?...がん・心疾患・抜…
  • 7
    北朝鮮兵の親たち、息子の「ロシア送り」を阻止する…
  • 8
    中居正広は何をしたのか? 真相を知るためにできる…
  • 9
    【クイズ】世界で最も「半導体の工場」が多い国どこ…
  • 10
    自らの醜悪さを晒すだけ...ジブリ風AIイラストに「大…
トランプ2.0記事まとめ
日本再発見 シーズン2
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中