最新記事

通信

楽天の5Gは4Gと同じ月2980円 3大キャリアの価格戦略にも影響か

2020年9月30日(水)17時26分

楽天は30日、第5世代(5G)移動通信システムのスマートフォン向けサービスを、4Gと同じ月額2980円に設定したと発表した。写真は同社のロゴ、2019年5月撮影(2020年 ロイター/Sam Nussey)

楽天<4755.T>は30日、第5世代(5G)移動通信システムのスマートフォン向けサービスを、同日から月額2980円(税別)で開始すると発表した。4月にサービスを開始した第4世代(4G)規格の料金と同額とした。会見した楽天の三木谷浩史会長兼社長は、4Gに5Gを加えた上で料金はそのままだとして「タダ5G」とアピールした。

4Gサービスを「Rakuten UN-LIMIT V(ファイブ)」にアップグレードした。5Gの通信は、東京都、大阪府など6都道府県の一部地域でスタートする。3月から4Gサービスで実施してきた300万人まで1年間無料のキャンペーンの対象とする。5G対応のオリジナルスマートフォンも用意した。

3大キャリアは3月から5Gサービスを開始しており、楽天は6月の開始予定が遅れていた。4Gで後発の楽天は電波の届かないエリアでKDDI<9433.T>とのローミング(相互接続)を使用しているが、会見に同席した楽天モバイルの山田善久社長は、5G基地局の整備での出遅れはないとの認識を示し、5Gでは「ローミングの話はない」とした。

楽天が5Gでも低価格を示したことで、菅義偉政権が優先課題として掲げる携帯電話料金の値下げの機運が高まる可能性もある。楽天モバイルの山田社長は「かなり思い切った価格戦略」と強調し、楽天ユーザーが増えれば「日本の平均的な料金が下がる」との見方を示した。

楽天は安価な汎用機器を用いた「仮想化」ネットワークを構築しており、従来型のネットワークに比べてコストが抑えられ、低料金につながりやすい。一方、3大キャリアは、各種の割引がない場合、5Gの大容量・無制限のプランは4Gに500―1000円上乗せした7000円―8000円台で設定している。

もっとも、5Gは普及の途上にあり、足元で3大キャリアも4G料金への上乗せ分を割引している。楽天が低価格を打ち出したことで「楽天のネットワーク整備が進めば、大手は少なくとも割引をやめにくくなるのではないか」と、SBI証券の森行眞司シニアアナリストは指摘している。


(平田紀之 編集:山川薫)

[ロイター]


トムソンロイター・ジャパン

Copyright (C) 2020トムソンロイター・ジャパン(株)記事の無断転用を禁じます


今、あなたにオススメ
ニュース速報

ビジネス

ドイツの12月輸出が予想以上に増加、鉱工業生産は減

ビジネス

ビットコイン、6万ドル試した後反発 なお「トランプ

ビジネス

インド中銀、デジタル決済詐欺に最大2.5万ルピーの

ビジネス

ECB、金利当面据え置きへ インフレ期待安定=スペ
今、あなたにオススメ
MAGAZINE
特集:トランプの帝国
特集:トランプの帝国
2026年2月10日号(2/ 3発売)

南北アメリカの完全支配を狙うトランプの戦略は中国を利し、世界の経済勢力図を完全に塗り替える

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    グラフが示す「米国人のトランプ離れ」の実態...最新世論調査が示すトランプ政権への評価とは
  • 2
    米戦闘機、空母エイブラハム・リンカーンに接近したイラン製ドローンを撃墜
  • 3
    高市積極財政にアメリカが慌てる理由
  • 4
    「右足全体が食われた」...突如ビーチに現れたサメが…
  • 5
    致死率は最大75%のニパウイルスが、世界規模で感染…
  • 6
    「反トランプの顔ぶれ」にMAGAが怒り心頭...グリーン…
  • 7
    エヌビディア「一強時代」がついに終焉?割って入っ…
  • 8
    ユキヒョウと自撮りの女性、顔をかまれ激しく襲われ…
  • 9
    エプスタインが政権中枢の情報をプーチンに流してい…
  • 10
    「エプスタインは悪そのもの」「悪夢を見たほど」──…
  • 1
    高市積極財政にアメリカが慌てる理由
  • 2
    日本への威圧を強める中国...「レアアース依存」から脱却する道筋
  • 3
    180万トンの「リチウムごみ」を資源に...EV電池の「副産物」で建設業界のあの問題を解決
  • 4
    致死率は最大75%のニパウイルスが、世界規模で感染…
  • 5
    ロシア軍の前線で「弾よけ」にされるアフリカ人...兵…
  • 6
    「出禁」も覚悟? ディズニーランドで緊急停止した乗…
  • 7
    グラフが示す「米国人のトランプ離れ」の実態...最新…
  • 8
    米戦闘機、空母エイブラハム・リンカーンに接近した…
  • 9
    高市首相の発言は正しかった...「対中圧力」と「揺れ…
  • 10
    中国で大規模な金鉱脈の発見が相次ぐ...埋蔵量は世界…
  • 1
    【クイズ】世界で最も「レアアースの埋蔵量」が多い国はどこ?【2025年の話題クイズ5選】
  • 2
    【クイズ】致死率50~75%...インドで感染拡大「ニパウイルス」の感染源となる動物は?
  • 3
    中国製防空レーダーは米軍のベネズエラ攻撃に屈した──台湾高官が分析
  • 4
    高市積極財政にアメリカが慌てる理由
  • 5
    セーターが消えた冬 ── 暖かさの主戦場が「インナー」…
  • 6
    【クイズ】世界で唯一「蚊のいない国」はどこ?【202…
  • 7
    海上自衛隊が水中無人機(UUV)を導入 中国の海軍拡…
  • 8
    防衛省が「新SSM」の映像を公開、ノルウェー・コング…
  • 9
    中国で大規模な金鉱脈の発見が相次ぐ...埋蔵量は世界…
  • 10
    【クイズ】韓国を抜いて1位に...世界で最も「出生率…
トランプ2.0記事まとめ
Real
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中