コラム

【ホメない書評】下村元文科相の「リーダー論」は口先だけ?

2019年11月07日(木)16時50分

第3に、自民党の政治家に啓育を施すことだ。「誰かのイエスマンになってしまう人や組織」は次々と淘汰されると下村は書いている。これは、安倍一強で異論が認められないという声が細々と上がる自民党にこそ当てはまるのではないか。

日本の将来を憂い、国民相手に提言するのは大いに結構だが、まずは自分の周囲から成果を出すことを優先したほうがいい。喫緊の課題は永田町にこそあり。下村の活躍の舞台は広過ぎるくらい広がっている。実践に大いに期待したい。

本人が実行できない限り、説得力は皆無である。

<2019年11月5日号掲載>

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プロフィール

石戸 諭

(いしど・さとる)
記者/ノンフィクションライター。1984年生まれ、東京都出身。立命館大学卒業後、毎日新聞などを経て2018 年に独立。本誌の特集「百田尚樹現象」で2020年の「編集者が選ぶ雑誌ジャーナリズム賞作品賞」を、月刊文藝春秋掲載の「『自粛警察』の正体──小市民が弾圧者に変わるとき」で2021年のPEPジャーナリズム大賞受賞。著書に『リスクと生きる、死者と生きる』(亜紀書房)、『ルポ 百田尚樹現象――愛国ポピュリズムの現在地』(小学館)、『ニュースの未来』 (光文社新書)など

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